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※この作品の中の幻想郷は、河童達の頑張りもあって比較的文明が進んでいます 「ゆっ!おにいさん、今日はどこにあそびにつれていってくれるの?」 「それは着いてからのお楽しみだよ。とっても楽しい所だからゆっくり待っていてね」 「ゆゆ~、楽しみ~~!!」 ごきげんなゆっくり霊夢を腕に抱えて、大きな荷物を背負い、私は林道を歩いていく。 この霊夢は数日前、単独で我が家に侵入しようとしていたところを捕獲したものだ。 その場でブチ殺してやることもできたが、肉体的な拷問は今まで散々やってきていささか芸がない。 少し考えた末、私はある計画を思いつき、そのためにしばらくこの饅頭を生かしておくことに決めたのだ。 準備が整うまでの間「親切なゆっくりできるお兄さん」を演じ続けたため、今ではすっかり私に懐いている……まぁこの関係も今日で仕舞いだがな。 「おにいさん、いっぱいゆっくりしようね!」 「ああ、たっぷりとゆっくりさせてあげるよ……」 虐待おにいさんとゆっくり霊夢が贈る、そんなとある夏の日のお話。 ーーーゆっくりダイビングーーー 「ゆっ!すっごくおおきなみずたまりがあるよ!」 「ああ、ここが紅魔湖だよ。綺麗だろう?」 私達が訪れたのは、幻想郷の中心に位置する紅魔湖と呼ばれる巨大な湖だった。 全長数キロ、中心には紅き悪魔の住む古城がそびえる、風光明美な場所だ。 今日のような暑い日には、涼をとりに来た周辺の人間や妖精達の憩いの場所となっている。 「ゆゆー!ひろいね、すごいね!!」 「それじゃぁ、近くに寄ってみようか」 わーわー五月蝿い饅頭を抱えて水場に近寄る。 環境汚染とは無縁の幻想郷の中でも、一際透き通った水面が涼しげに揺れている。うーん泳ぎたい。 「ゆゆー、おみずがすっごくあおいよ!きれいだねー」 「この透明度は反則だよなぁ……それじゃあ早速泳いでみようか!」 「ゆっ!だめだよおにいさん、れいむはみずにはいるととけちゃうよ!」 ほう、この饅頭頭も流石にその程度のことは知っていたのか。感心感心。 「ああ、それなら安心してね。このスプレーをかけると君の体は水を弾くようになるんだ」 そう言って荷物から取り出したのは、加工場で最近発売された新商品「ゆっくり撥水スプレー」だ。 これをゆっくりに噴射すると特殊な薬品で体がコーティングされ、最低数時間は水中に入っていても体が溶け出さないようになっている。 用途はゆっくりを使った水仕事用や遊戯用といったほのぼのとした物から、水を使った長時間の拷問用まで様々。 もちろん今回は後者である。折角今まで長い時間をかけて準備してきたんだ。すぐに終わっちゃ勿体無いだろう? 「ハイ、おしまい!これで君も湖の中で遊べるようになったよ」 「ゆゆっ、からだがなんともないよ!つめたくてきもちいい~」 スプレーを終えたれいむを水面に浮かべてやると、最初はビクビクしていたがすぐに大はしゃぎで遊び始める。 水面でくるくる回転したり、水を口に含んで吹出したりしてキャッキャと笑っている姿は正直殺したくなるが、まぁまだ我慢我慢。 一緒に水に入り、一通り遊ばせてやってから、私は再び声をかけた。 「ねぇ、折角だからもっと広いところに出てみないかい?もっと面白い遊びがあるんだ。」 「ゆゆっ、こんどはなにをしてあそぶの?」 あれから私達はボートを借りて、紅魔湖の中心付近へと移動していた。 「ああ、ダイビングといってね、水の中で泳ぐ遊びだよ。それじゃ必要な機械をつけようね。」 言いながら私は、荷物の中から小さめのボンベと水中眼鏡、レギュレーターを取り出す。 これらはゆっくりの体型に合わせて、河童に作ってもらった特注品だ。 「ボンベは背負えたね?じゃ、次にこのレギュレーターを咥えて。離すと水が入ってくるから口を開いちゃ駄目だよ! あと、ここについている計器に気をつけて。ここにはボンベの中の酸素の量が表示されているんだ。 この目盛りが0になるまで潜っていちゃあ駄目だよ。酸素が切れて死んでしまうからね!」 物覚えの悪いアホ饅頭相手に忍耐強く説明しつつ、なんとか器具の装着を終える。 そのままボンベを手で支え、ゆっくりを水中に沈めた。 「ゆゆー!みずのなかでもいきができる!すごいよ!!」 うん、どうやら機械は正常のようだな、さすが河童。 それにしてもはしゃぐのは結構だが、口を離すなと……ってあれ、こいつレギュレーター咥えたままだな。どうやって話してるんだ? 「ゆ?れいむはいわれたとおりにしているよ?」 ……どうやら河童の超科学の賜物らしい。ゆっくりなんぞに使うのは豚に真珠以外の何物でもないが…… まぁいいや、クリアな悲鳴が聞けるのはよい事です。 「じゃ、しばらく一人で遊んでいてね。お兄さんは準備をするから」 饅頭を再びボートの上に引っ張り上げ、私は仕置きの最後の仕上げを進めた。 モニターを立ち上げ、ゆっくりのボンベについていたパネルを開き、あるボタンを押す。 「よし……カメラも異常なし、と。上手く行きそうだな。」 「おにいさんがなにをしているかわからないよ!はやくれいむをみずにいれてね!!」 私が調整を済ませている間も、ゆっくりは五月蝿く喋くり続ける。この腐れ万頭が…… 沸騰しそうになる頭を必死で落ち着かせる。そうだ、この下等生物に付き合うのもこれで最後なんだ。なんと素晴らしいことか。 「まぁ慌てるな。すぐに連れて行ってあげるよ……地獄にね」 「ゆぅ?」 すべての準備が整ったことを確認すると、私は理解できていない様子の霊夢(+ボンベ)をゆっくりと抱え上げ…… 「それじゃぁ…………ゆ っ く り 沈 ん で い っ て ね !!」 「ゆっ!?」 今までのストレスを込めて、水面に叩きつけた。 「ゆぶッ!」 ドボンッ!! 「ふぅ……清々したぜ」 水柱が立ち、ゆっくりれいむの姿は水の中へと消えていった。 ============================================ 「水深5M」 「……ん……ゆっ!?」 水面に叩きつけられてから数十秒後、ゆっくり霊夢は意識を取り戻した。 どうやらショックで少し気絶していたらしい。早く上がって、お兄さんに文句を言わないと 「ゆゆ?からだがうかばないよ!」 浮上しようと願う彼女の意識とは裏腹に、彼女の体は水中を急降下していた。 通常のゆっくりの体は水に浮くが、くくりつけられたボンベが錘の役割を果たしているのだ。 「ゆゆ~~っ!おにいさん!ふざけてないで引き上げてね!!」 自力で水面に上がることを諦めた霊夢は、お兄さんが助けてくれるのを待つことにした。 この期に及んでも誰かが自分を助けてくれると考えているそのゆっくり脳には、流石におめでたいとしか言いようが無い。 暢気に魚を探したりなどしながら、ゆっくり霊夢は、沈んでいった。 「おにいさん、はやくたすけてね!!」 「水深20M」 「ゆっ!はやくれいむを引き上げてね!今ならおこらないでいてあげるよ!!」 呼吸ができるということもあり、ゆっくりれいむの声にはまだ余裕があった。 もっともわずかな焦りも感じている。体に感じる水温が徐々に冷たくなっているからだ。 一般に太陽光によって海水が温められているのは、赤色光が届く深度十数Mの辺りまで そこから先は深くなればなるほど極低温の深層水の世界に入っていくということを、霊夢はまだ知らない。 「こんなにさむくちゃゆっくりできないよ!ばかなおにいさんははやくひきあげてね!!」 「水深40M」 「ゆゆっ!寒いよ……それになんだかくらくなってきたよ!」 沈みながら、心細げに辺りを見回す霊夢。 繰り返しになるが、海の中で満足に光が届くのはごくごく浅い位置に限られており 十数Mも潜ればライト無しのダイビングはほぼ不可能になる。 流石のゆっくり脳も不安を訴えてきていたが、まだ彼女はおにいさんが助けてくれるという妄想にすがり付いていた。 「水深60M」 コバルトブルーだった水の色は、今では薄暗い青に変わっている。 先程までは木の葉ほどの大きさに見えていたボートは、今では点のようにしか見えない。 ここでボンベを捨てて力を抜き、水面に上がればまだギリギリで助かったかもしれない。だが彼女はもはやそれどころではなかった 「ゆぐぅ……からだがいたいよぉおお!」 先ほどから、彼女の体に締め付けられるような痛みが加わっていた。水圧である。 10M潜るごとに1気圧ずつ増加するその力は、徐々に霊夢の体を締め上げていく。 だがゆっくりの体は水圧に最も強い球形をしており、中身も水分が豊富な餡子で出来ている。 その特性が、結局彼女の苦しみを長引かせることとなった。 「水深100M」 「いだいいいいいい!もういやだあ゛あ゛!おうぢがえるうううううう!!」 既にボートの姿はとっくに見えない。先ほどまでちらほら見えていた魚影も無くなっている。 沈み始めて数分、霊夢はようやく自分の置かれた状況の深刻さに気付いていた。 だがもう遅い。もはや普通に浮上したとしても間に合わない深度まで、霊夢は降下してしまっていた。 「水深120M」 「水深140M」 「水深160M」 ………… …… … 「だずげでぇえええ!!おにいざんんんんんん!!!!!」 140Mを越えた辺りから、もはや周りは暗くて殆ど見えない。 なぜ水遊びなんかしてしまったのか、などなぜもっと早くボンベを外し水面に出ようとしなかったのか、 後悔だけを繰り返し、彼女はひたすら奈落の底へと落ちていった。 ………… …… … 「水深200M」 「ゆぎゅっ!」 衝撃とともに、れいむは自分の体が何か堅い物に叩きつけられたのを感じた。とうとう紅魔湖の底に着いたのだ。 痛みをこらえ、状況を確認しようと周りを見渡すと 「ゆ゛っ……」 そこは数十センチ先すら見えない、完全な闇の世界だった。 この深度になると、水面からの太陽光の到達率は0.5%を切る。深海魚でもない限り光を感知するのは不可能だ。 身を切るような寒さ。体を締め付ける水圧。そして耳を済ませても自分のレギュレーターの音だけしか聞こえぬ静寂。 この世で最も過酷で、孤独な世界に、彼女は一人で取り残されていた。 「いやあああああああ!!だずげでぇえええええええええ!! ぐらいぉおおおおおお!!ざむいよおおおおおおお!!ごわいよぉおおおおおおおお!!」 パニックを起こし、泣き叫ぶ霊夢。その声は何処にも反響することなく暗い空間に消えていった。 だれか、だれか自分を助けてくれるものはいないのか。 ワラをもすがる気持ちで辺りを見回す彼女の視界に、何かぼんやりと光るある物が映った。 「酸素残量:50%」 それは、ボンベについていた酸素残量メーターの蛍光盤だった。 食い入るようにその微かな光を凝視する彼女の耳に、ふいに湖上でお兄さんが話した言葉が甦る。 『ここにはボンベの中の酸素の量が表示されているんだ。 この目盛りが0になるまで潜っていちゃあ駄目だよ。酸素が切れて死んでしまうからね!』 「いやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 その数字の意味する所に気がついた瞬間、彼女は絶叫した。 この計器は自分の死刑宣告。ここに書かれた数字が0になった時、自分は窒息し、死ぬのだ。 「だずっ げでっ だれがあ゛あ゛っ!!」 半狂乱で全身を動かし、少しでも水面に浮かび上がろうとするれいむ。だがその体は無情にもボンベで湖底に縫いとめらている。 彼女に出来たのは、刻一刻と無くなっていく酸素の量に怯えながら、芋虫のように湖底を這いずり回ることだけだった。 40%…… 30%…… 「いやあ゛あ゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じにだぐないいいいいいいいいいい!!」 20%…… 10%…… 「おにいざん゛ん゛ん゛ん゛ん゛だずげでぇぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 5%…… 0% 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ…………ガぼぁッ!!」 数十分後、しかし彼女の中では無限に思える恐怖の時間の末に、目盛りはとうとう0に重なった。 それと同時に大量の水が彼女の口に流れ込んでくる。計器の光も消え、辺りには真の闇が訪れる。 「ゴぱッ みずっ いぎが でぎなっ」 ゴボゴボと気泡を吐き出し、湖底をのたうち回るれいむ。 浸入した水で鼻や喉は焼けるように痛み、窒息の苦しみは彼女の餡子を生きたまま掻き回すようだった。 「いやだぁあ゛ゴブッ じにだぐないあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゲぼッ」 死への恐怖が、彼女を最後の瞬間まで足掻かせる。その時、奇跡的にボンベと体を結ぶベルトが緩み、彼女の体は開放された。 だが酸欠と恐怖でパニック状態となったゆっくり脳は、もはや上下の感覚すら解らなくなっていた。 浮かび上がろうともがけばもがくほど体は逆に地面に突き刺さり、辺り一面に砂埃が舞い上がる。 そしてゆっくりと、ゆっくりと、もがく体は動きを止めていった。 クライ クルシイ サムイ イタイ どうして自分がこんな目に会わなければならないのか。自分はただ優しいお兄さんと楽しく遊びたかっただけだったのに。 薄れる意識の中でれいむは問う。だがどう考えても答えは見つからない。 やがて完全に体は動きを停止し (ゆぐっ……じだ……がっ……た……) お決まりの台詞を残して、彼女の意識は闇の中へと消えていった。 「……あっはっはっはっはははは!!いやぁ傑作だったな!!!腹が痛い!」 ボートの上で、私はモニターを眺めながら大爆笑していた。 霊夢が沈んでから湖の底で悶死するまでの映像、その一部始終を私はボンベに付いていた小型カメラで見ていたのだ。 録画も可能な優れモノなので、家に帰ったらもう一度見直すことにしよう。全く河童の技術力は大したものである。 「さてと……ボンベを回収しないとな。なんたって特注品だ」 ボンベには釣り糸程の細さしかない頑丈なロープが結び付けてある。それを巻き上げて回収し、 そのついでに死体となって浮かび上がってきたゆっくり霊夢もボートに引き上げる。 絶望と窒息の苦しみでグロテスクに歪んだそのデスマスクは、なんとも笑える代物だった。額に入れて飾っておきたいようだ。 兎も角、今年の夏はこれのおかげ楽しめそうだ……高い金を出した甲斐があったといえる。 次はゆっくりれみりゃでも沈めてみるか……あの再生力なら死ぬまでじっくり楽しめるだろうな。 撮った映像は稗田のお嬢さんにでも売りつければいい小遣い稼ぎになるだろう。 新しい遊びの成功に心を弾ませながら、私はゆっくりとボートを岸へ戻していった。 ======== 蛇足なあとがき こんにちは。以前ゆっくり改造職人の前編を書かせて頂いたものです。 後編を書いている最中、ふと電波を受信してこんなものを書いてしまいました。色々と突っ込みどころはあるかと思いますがご勘弁をorz 海とか湖って美しくも怖いですよね。足のつかない不安定な体勢、下を見ると光すら届かぬ冷たくて広大な空間が広がっている…… そこで何者かに突然足を掴まれ、引きずり込まれたら……そんな想像をしてしまい、自分は浅い所でしか泳げません。 暑い夏の夜に、ちょっと涼しいゆっくりいじめを。読んで頂きありがとうございました。 書いた人:ケイネスキー このSSに感想を付ける
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※妄想シーンがあります ※お兄さんがキモく、ウザくなります ※ゆっくりが木から生えます 「ゆっくりが実る木」 ある家の玄関に種が入っている袋が落ちていた。 「うん?」 何じゃこりゃと袋を拾い上げるお兄さん。 すると種のほかに紙が置いてあった。 「この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください」 それしか書いてなかった。 「へぇ・・・ なんかの果物か? ちょうどいい、腹も減ってるし、金もないから、植えてみるか。」 早速中庭に種を植える。 水とか肥料はバッチリだ。 「へへ、そう簡単にならないのは知ってんだよ。 ま、気長に待ちますか。」 実はこの男、前に木を育てたのだが一ヶ月足らずで駄目になってしまった経験がある。 そんなことは関係ないか。と思い家の中に入る。 そして夜。 何か変な音がした。 「何だ?ゆっくりが忍び込んできたか? いや、違う。ゆっくりがこんな時間帯にくるはずがない。」 なんだってんだよー、ったく と思った後、外を見つめた。 すると植えたはずの木があっという間に育っているではないか! 「な・・・なんじゃこりゃアアアアあアアアアあアアアアアアアアアアアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 しかも立派に育っている。 「やばいってこれ。夢だよ、夢だって、そうさ!いつだってッ!!」 とあわてて家の中に戻り 布団に飛び込む 「だからお休みー」 布団を再びかぶり眠りにつく。 で、翌日。 ぱっと目を覚ました俺は中庭を覗いた。 すると目の前にあったのは・・・ やはり立派な木だった。 「何で夢じゃないのおおおおおおおおお!!!」 ゆっくりのような悲鳴を上げたお兄さん。 さらによく見るともう実がなっている。 「はぇぇ・・・はぇぇよぉ・・・」 この木の成長振りにびびるお兄さん。 よく見ると、その実はどこかで見たような気がする形だった。 「なんかこうウザい感じがするな・・・」 はぁーと、溜め息をした次の瞬間。ぷちりという音がした。 「ん?何の音だ?木の裏側っぽいな、見てみるか。」 と覗くと、黒い髪に赤色リボン。これってまさか・・・ 「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」 一口サイズの小さなゆっくりれいむだ。 「さっきまでいなかったはずのれいむがなぜここに・・・ まさか!」 お兄さんは木の実を見る。 よく見ると、ほかの木の実には黒い帽子、カチューシャ、猫耳帽子、ナイトキャップなどがついている。 これでもう明らかになった。 この木はゆっくりが実る木。 「なんてこった。 俺は大変なものを・・・ あ。」 お兄さんは懐に合った紙を取り出した。 『この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください』 と書いてあった。 食っていいから大丈夫だよなと思った俺はまりさと思われる実に手を伸ばす。 「よし・・・」 と実をくいっと引っ張った。 すると実は簡単に取れた。 まりさは悲鳴を上げることもなく絶命した。 次に帽子をぽいっと捨てる。 「ゆぅ~にゃにしょれぇ?おいちいにょ?」 と木の実から生まれたれいむがたずねてくる。(以下実れいむ 実まりさなど) 「ん~どだろ。」 ぽいっと口の中へ放り込む。 味はいまいち まだ成長が未発達のせいかそんなにおいしくなかった。 「これ以上増えてもらってはこまるな・・・ 何かいい策はないもんか・・・」 と頭を抱え悩みこむ。 するとお兄さんの家の近くから声がした。 よく見ると一人のお兄さんがれいむとまりさを籠につめ歩いているところだった。 「何してるんですか?」 と問いかけると、お兄さんは苦笑し。 「お前知らないのか。 こいつらを加工所に売り飛ばすんだよ。 そうすりゃ金になる。」 「かごうじょいやあああああああああああああああああ!!」 加工所という単語を聞き暴れるれいむとまりさ 「るっせーな、今楽にしてやるから覚悟しとけ。」 なんてやり取りの後お兄さんはすたこらさっさと逃げていった。 サイドビジネスの予感。 お兄さんは将来の自分を想像した後、とんでもないことを考えてしまった。 「いや、待てよ。 ぽんぽーんと連れて行ったら怪しいって思われて家宅捜索されるんじゃ!?」 創造というよりモロ妄想である サイドビジネスはあきらめた。 金を渡す加工所の気持ちも少しわかった気がする。 「そうだ!木!」 俺はあわてて庭の中へ。 すると実がぽろぽろ落ちてきている。 そしてお兄さんのほうを向いて 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」」」」」」」」」」 オウ、ノーもう生まれてる。 しかも十匹近く。 でも、こいつらを飼うわけにはいかない 野生に離してもれみりゃが現れるだけ。 どーすんのよ。 殺しまくってストレスを処理しても ぽんぽん増えるやつだから飽き飽きになるだろう。 なので。 数週間後。どこかのマンション トントンとドアのノック音がする。 「うるせーなぁー朝から。つーかチャイムがあるからそれ押せよ。 どんだけレトロな人間だ?お前。」 「すまないなぁ・・・お前が一流の虐待お兄さんとして折り入って頼みがあるんだ。」 「はぁ?」 「友達のよしみってことで・・・ こいつら全部殺してもかまわないぞ」 と差し出されたのは大型サイズの籠にゆっくりたちが無造作に押し込まれている。 「んな!何匹いるんだよ!こいつら」 「んー、50匹くらいかな。」 「キャッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」 友達が歓喜の声を上げる。 「まさかこんなにゆっくりを大虐殺する日が来るとは!!」・・・と。 「あ、こいつら5000円な。 あと前に貸した10000円返せ。 それとこのことは誰にも言うな。」 すると友達はマッハの速さで財布を持ってきて。 15000円を渡した後、強くドアを閉めた。 「・・・いよっし!」 とお兄さんはルンルンと笑顔で帰った。 つまり加工所ではなく友達に売り飛ばせばいい。 秘密にさせておけば家宅捜索なんてないんだぜ!(モロ妄想です) そんな簡単なことに早く気づかなかったんだろ。 なんて思いお兄さんは家に帰る。 そして家に帰り木の本へ戻るお兄さん。 実ゆっくりたちのお帰りコールがあったので適当に返事をし木の本へ行く 「やっほ~ぅ。わがいとしのきよぉ~ かえったぞぉ~」 とでれでれと戻ってみると新しい実が実りつつあった。 「おお、金が実る。金が実る。」 お兄さんは次から次へと実を確認しました。 「おお、今日はちぇん・・・みょん・・・ おお、れみりゃだ。 フランまで。 むふふ・・・ お兄さんはうれしいどぉ~♪」 思わずれみりゃの真似をしたお兄さん さらには踊りまで真似する始末。 「うっうー♪うあ♪う・・・うん?」 お兄さんが何かに気がついた。 見たこともない実がはえていたのだ。 すると近くにいた実ちぇんが現れ実を見るなり 「ら・・・らんしゃまあああああああああああああああ!!」 「・・・は?」 「らんしゃまだ!まちがいないよ-わかるよー」 「なにいってんだここにらんがいるわけ・・・」 といい木の実を見ると 確かにいた。 らんがいた。 他にもゆゆことか、えーりん、ゆかりとかも生えていた。 「てかえーりんがここから生まれてもいいのか!?」 なんてお兄さんは思っていたがそれはどうでもいいとして。 まさに希少種のラッシュ。 売れば相当の金額になるだろう。 あと、どうでもいいができればゆゆこは早く生まれてきてほしい お兄さんのほしいゆっくりランキングナンバーワンだからだ。 お兄さんはルンルンとしていた。 まさかあの木からゆゆこが生まれてくるとはと。 翌日には生まれてくるんだ。 楽しみだな・・・ そして翌日。 お兄さんはウキウキしていた。 早くゆゆこうまれねーかな。 その隣にはちぇんがいた。 早くらんしゃま生まれないかな。 お互いはそんなことを考えていた。 すると実がゆれる。 ついに・・・ついに・・・ ゆゆこが(らんしゃま)が生まれるんだ! 実がぽとりと落ちる。 生まれてきたのは・・・ 「どうも、ゆっくりしていってください わたしはきよくただしい きめぇまるです」 きめぇ丸だった。 場の空気が凍りつく。 ついでにきめぇまるは生まれてきてから言語能力が発達しており生まれたにもかかわらず成体ゆっくりに近いような話方をする。 「なんでらんしゃまがうまれないのおおおおおおおお!?わからないよおおおおおおおおお!?」 ちぇんが半狂乱になっている。 「大丈夫だ!落ち着けちぇん!次こそはらんが生まれるって!多分!!」 「ゆ・・・そうだねーおちつくよー」 (さぁこい!ゆゆこ!!生まれたらお兄さんとゆっくりしようね!) お兄さんはそう思い妄想を開始した。 それはお花畑じゃなくてゆっくりたちのゆっくりプレイス 俺はゆゆこと手(?)を取りながら嬉しく虐待をしていた。 「あはははははははは・・・」 「こぼねー」 ゆっくりたちを踏みつけ、蹴飛ばす俺。 ゆっくりたちを容赦なく食らいまくるゆゆこ まさに俺の人生薔薇色! かもぉーん!ゆゆこ!! しかし、木に変化が起きた。 木が見る見ると枯れ、木が朽ち果ててしまったのだ。 当然実は栄養を受け取ることができなくなり黒ずんでしまった。 らんも、ゆゆこも。 「「うっ、うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 すると玄関近くにチャイムの音が 「はい・・・」 それは郵便局の人だった。 「いたいた。実はあなたにこれを渡すように頼まれまして。では。」 一通の手紙を渡した後、郵便局の人はバイクにまたがり去っていった。 その手紙には 「遅れてすいませんでした。 この木はゆっくりを実らす木ですが 一ヶ月たつとかれてしまいます。 お手数をかけすみませんでした。」 と書いてあった。 それを見たお兄さんは 「なんてこったい。俺のゆゆこがあああああああああああああああああああああああ!!」 ちぇんはもう息もしていないらんに泣き縋る。 「うわああああああああん!らんしゃまあああああああああああ!ゆっくりしてええええええええ!わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 お兄さんはその後怒りに身を任せ手紙を力いっぱいに破り捨てた後 、枯れ木などに八つ当たりをはじめ。 最後、暴れすぎたせいか意識がブラックアウトする。 「・・・はぁっ!!」 俺はがばりと起き上がった。 「な、・・・なんだ。」 お兄さんは起き上がり庭を覗く。 気はない、ゆっくりたちの死体もないし、ちぇんもいない。 まさか・・・これは 「夢オチかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 あとがき 最後は夢オチでした。 ゆっくりの出産方法に茎による植物性出産を考え 木からから生まれたらどうなるだろうかと考え作りました。 夢じゃなかったらどうなることかと俺は思う。 byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ系2889 ゆっくりべんじゃー いじめ系2932 すぃー吶喊 いじめ小ネタ542 ゆっくりジェットコースター いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん いじめ小ネタ562 ゆっくり草野球 いじめ小ネタ567 ゆっくり瞬殺されるよ! いじめ小ネタ573 金バッチがほしいよ! このSSに感想をつける
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※ご覧いただく前の注意書き※ すっきり描写あり ゆっくり現代入り 以上です。それでは、お楽しみ頂けると幸いです。 ※1/16 fuku4847を一部加筆して、再うp致しました。 by 作者 よし、天麩羅にしよう。 珍しくお金があったので、今日の昼食はリッチにいくことに決めた。 普通、大学の近くにはラーメン屋や定食屋など色々な店がある……はずなのだが、うちの大学の近くには何故か少ない。 電車で1駅行った、うちの大学より何倍も大きい大学の学生街や、反対方向へ1駅の大きな街には食事処が沢山あるのであまり不自由はしていないけど。 普段は学内のコンビニで調達するか電車で食べに行ってしまうが、今日は前から行ってみたいと思っていた天麩羅屋に行くことに決めた。 3限が休講だったので、授業は午前中で終わりである。昼休みに食べに行くと混むだろうから部室に寄り、1時間ほど潰してから店に向かった。 行こうと思っている天麩羅屋は、大学から少し行ったところにある。普段大学の近くで食べるときはファーストフードが殆どなので、なんだか新鮮な気分だ。 大学を出て10分ほど歩き、目当ての天麩羅屋に着いた。 天麩羅は美味しかった。野菜天や海老天をはじめ、どの天麩羅も衣がサクッとしており、塩にも天つゆにも良く合った。 食べ終わって何となくメニューを見ていると、ある文字に目が止まった。 『ゆっくり』 ゆっ……くり? あのゆっくりか? しばらく前に出現した人間の頭みたいな饅頭か? メニューを見てみると、餡子やカスタード、生クリームといった文字も見受けられる。 これはゆっくりの中身だ。ということは、この店はゆっくりの天麩羅も扱っているのだろう。 しかし……どういう物なんだろうか? とりあえず店主に聞いてみることにした。客は僕以外にいなかったので、聞いても営業に差し支えは出ないだろう。 「あの、すいません」 「はい、なんでしょう」 「この『ゆっくり』って奴なんですけど、やっぱりあのゆっくりなんでしょうか?」 「ええ、当店ではゆっくりの天麩羅を扱っておりまして、デザートとして好評を頂いております」 「そうなんですか。饅頭としては食べたことがあるんですが、天麩羅にしている店があるなんて初めて知りましたよ」 「扱っているのは、この辺だとウチぐらいなもんでしょうねー。この辺じゃなければ何軒かは取り扱っていると聞いています」 「へえー。あの、他のに比べて随分と安いんですが、これはどうしてなんですか?」 「ああ、それはですね、他の天麩羅と違って原材料がタダ同然、というか本当にタダなんですよ。捕まえてくればいいんですから」 「そうなんですかー。……じゃあ、餡子とカスタード、それと生クリームを1つずつ下さい」 「わかりました。ちょっとお時間を頂きますが、宜しいですか?」 「問題ないです」 「じゃあ、ちょっと待っててください」 店主は奥に入っていった。 携帯をいじっていたら、奥から声が聞こえてきた。ゆっくりの声だ。 「ゆっ、れいむすっきりしたくないよ! あかちゃんつれていかれるのやだよおおおおお!」 「いやああああ! あいのないすっきりなんてとかいはじゃないわああああ!」 「むぎゅー、ぱちぇもあかちゃんとられるのいやよおおおおお!」 「まりさだってすっきりしたくないんだぜ! でもぶるぶるされるとどうしようもないのぜ!」 「ほら、さっさと子供作れ」 「「「「んほおおおおおおお!!!」」」」 「「「「すっきりー!!!」」」」 「ゆう、ゆう……。またすっきりしちゃったよ……」 「でも……。やっぱりあかちゃんはかわいいわね! とかいはなこになってね!」 「そうだぜ! こんどこそあかちゃんをまもってあげるんだぜ!」 「むきゅー、みんなでちからをあわせれば、おじさんからあかちゃんをまもれるわよ」 「「「そうだね! えいえいゆー!!」」」 どうやら親ゆっくり達が強制的に子供を作らされているみたいだ。ということは、子供を使うのだろう。 強制すっきりから1分半ほど経過した。 「ゆゆっ! あかちゃんのおめめがあいたよ!」 「もうすぐうまれるんだぜ! うれしいんだぜ!」 「みんなにこにこしててかわいいわね! とってもとかいはよ!」 「むきゅん、あかちゃんたちゆっくりしていってね!」 もうすぐ赤ん坊が生まれるのだろう。親ゆっくり達は嬉しそうである。 だが。無慈悲にもその嬉しさを粉微塵に打ち砕く言葉が告げられる。 「はーい、談笑中の所た~いへん申し訳ありませんが、これより赤ちゃんを1匹残らず頂いていきまーす。 いつもの通り、必要な赤ちゃん以外はぜーんいんブチ殺しますので、皆ゆっくりしていってね!!!」 「いやぢゃあああああ!!! あがじゃんもっでいがないでえええええ!!!」 「ゆっ、まりさたちのあかちゃんはまもってみせるのぜ! じじいはあっちにいくんだぜ! ……ごべんなざいいいい!!! もっでいがないでええええ!!!」 ブチブチブチイッ 「いぢゃいよおおおおおおお!!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ぐぎをどだだいでええええええ!!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛!!! ごんなのどがい゛ばじゃないわあ゛あ゛あ゛!!! ……あ、あがじゃんごろざないでええええ!!! おねがいじまずうううう!!!」 「むぎゅうううう!! ばぢゅりーだぢにぞだでざせでぐだざいいいい!!! おねがいでずがらああああ!!!」 グチャッ 「ゆぴっ」 「ゆぶっ」 「ゆぴゃっ」 「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!! あ゛がぢゃんんんんんんんん!!!!」」 「「ばだばじべでの゛ごあ゛い゛ざづもずりずりもじでな゛い゛の゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」」 ――カウンターからは見えないが、どう考えても奥は阿鼻叫喚。 茎を引き千切り、まだ生まれていないゆっくりを一匹一匹握り潰す音。赤ん坊の短い断末魔、そして親達が泣き叫ぶ声。 生きてる赤ん坊は親と初めての対面ができないまま全て連れ去られ、他の赤ん坊は生まれる前に全て潰されてしまった。 ゆっくり達にとってはまさに地獄である。 「ほい、じゃあお前らは箱で大人しくしてろよ」 「あがぢゃんがえぢでええええ……」 「ゆぐっ、ゆぐっ……。ごべんねえええ……」 「あがぢゃんだぢ、おがあざんだぢをゆるぢでねえええ……」 「むぎゅー……」 「お待たせしました」 子ゆっくり3匹を持った店主が戻ってきた。すっごく良い顔をしているように見えるのは僕の気のせいか。 「「「ゆっきゅりちていっちぇね!!!」」」 子ゆっくり達は生まれて初めての挨拶をしてきた。……最後の挨拶になるのだろう。 「それを使うんですか?」 「はい、当店では生まれたてホヤホヤのゆっくりを使います。 れいむ種が餡子、ありす種がカスタード、ぱちゅりー種が生クリームです」 「いつも注文を受けてから作ってるんですか?」 「凄く混んでるときは冷凍のを使ったりもするんですが、なるべく生まれたてのを使うように心がけています」 なるほど。究極の産地直送というわけだ。 「ゆゆっ? おじちゃん、このまありゅいのなあに?」 「ああ、それはお鍋っていうんだよ」 「むきゅん、おにゃべしゃんのなきゃにありゅのはきっちょおふりょね!」 「そうそう。さすがぱちゅりーは頭がいいなあ」 「ゆゆっ! おふりょできれいきれいちゅるのはとっちぇもときゃいはにぇ!」 「さあ、お風呂に入る前にこの中に入ってくれ」 店主は3匹に衣をつけ始めた。 「ゆっ! にゃめりゅとおいちいね! ぺーろぺーろ……」 「でもべちゃべちゃできもちわりゅいわ!」 「ありちゅ、きっとすちぇきにゃれでいになるちゃめにはひちゅようなことにゃのよ」 「ゆ、ゆん! ちょっととぼけちゃふりをちただけよ!」 衣をつけ終わり、いよいよ高温の油にダイブする時間がやってきた。 「れーみゅがいちばんしゃきにおふりょにはいりゅよ!」 「れいみゅはれでーふぁーちゅとっていうこちょばをちらにゃいのね! ありちゅがちゃきなにょよ!」 「れーみゅがしゃきだよ!」 「むきゅー、おふりょはおおきいんだきゃら、みんないっちょにはいりまちょうよ」 「ゆう……。ごめんにぇ、ありちゅ! いっちょにおふりょにはいりょうね!」 「ゆ、ゆん! ときゃいはにゃありちゅがいちびゃんちゃきにはいりゅのがのぞまちいけど、どうちてもっていうにゃらいっちょにはいっちぇあげちぇもいいわよ!」 「むきゅん、ふちゃりとも、なきゃよくちゅるのがいちびゃんよ」 饅頭たちの漫才を眺めている間に、揚げる準備が整ったようだ。 「それじゃあ、皆一緒にお風呂に入れるからな。仲良く温まれよ!」 「ゆっ! わかっちゃよ!」 「はやきゅいれちぇね! おふりょできれいきれいちて、もてきゃわちゅりむのぱーへくとぼでーになるんだきゃらね!」 「むきゅー、みんにゃではいりゅのはたのちちょうね!」 「じゃあ、行くぞ」 「「「ゆゆーん♪」」」 「じゃあな」 ボチャン 「「「ゆっ?」」」 「あ゛、あ゛じゅいよお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「や゛べぢぇえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「よしよし、ちゃんと揚がれよー? おいっしい天麩羅になるんだぞおー?」 うおー、すげ。見て楽しむ面もあるのか。まあ、これを楽しいと思うかは人によるんだろうけど。 「ゆるじでぐだざい゛い゛い゛い゛!!!」 「ごんな゛の゛どがいばじゃないばあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛!! みゃみゃだじゅげでえ゛え゛え゛!!!」 「お母さんは助けになんて来てくれないよお? お前らを喜んで差し出したんだから。 君たちは親にとっていらない子なんだよ! ゆっくり諦めてね!」 「ゆえ゛え゛え゛え゛ん!!!」 「ぞんなのう゛じょよお゛お゛お゛!!!」 「ぶぎゅう゛う゛う゛ん……」 揚げられるとやっぱり死ぬんだろうか。聞いてみよう。 「あの、揚げるとやっぱりゆっくりは死ぬんですか?」 「それは個体によりますね。体力の無いぱちゅりー種なんかはほとんどが死にます。 れいむ種とかまりさ種なんかは体力もありますし、衣で保護されてるので意外と死なないんですよ。 踊り食いみたいで食べていて楽しい、と仰るお客さまもいらっしゃいますよ」 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 「ぢぬう゛う゛!! ぢんぢゃう゛わ゛あ゛あ゛!!!」 「ぶぎゅう……。ぶぎゅーん……」 そーなのかー。しかし、店主楽しそうだなー。顔が生き生きしてるよ。 「お待たせしました。こちらがゆっくりの天麩羅です。左かられいむ、ありす、ぱちゅりーとなっております」 揚げたての天麩羅が出てきた。生まれたばかりなので小さくて丸っこい。 「では、頂きます」 れいむから食べることにした。 パクッ 「い゛じゃい゛よお゛お゛!!!」 うおっ、まだ生きてんのかよ。衣で包まれているため、声はくぐもっていた。 ――そうだ。塩塗ってみよ。 「ゆぎゃあ゛あ゛っ!!! ぢみるう゛う゛う゛う゛!!!」 おお、こいつは面白い反応だ。 パクッ 「やべじぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 中身が餡子だから当然甘いのだが、しつこくない甘さだ。衣もサクサクしてるし、はっきり言って旨いな。好評というのも頷ける。 パクッ (ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……) 口の中からかすかに呻く音が聞こえてきた。なるほどなあ。踊り食いかあ。 いやあ、旨かった。次はありすにしようかな。 ありす天を食べようかと思った時、思いついたことがあったので衣をはがしてみた。 すると、中には目を一杯に見開き歯を食いしばっている、『苦悶の表情』という言葉を絵にしたらまさにこれだという顔をしているありすがいた。 ゆっくりに苦痛を与えると甘くなると言うが、これは相当甘くなってるだろう。ただでさえ赤ん坊は甘くて旨いと言うし。 では、いただきます。 ぱくっ 「ゆぎゃあああああ!!!」 意外とカスタードもいけるね。 パクッ 「ごんなのどがいはじゃないばああああ!!!」 ぱくっ (もっちょ、ゆっ、きゅり、ぎゃああ、ゆうっ、ゆっ……。) 奥歯ですり潰してやった。さて、最後はぱちゅりー。 パクッ 「……」 ……おや? 反応が無いぞ? 衣を取って、ぱちゅりーをつついてみても反応が無い。 店主が言っていた通り、体力の無いぱちゅりーは耐えきれずに死んでしまったのだろう。 パクッ これも美味しかった。ただ、他の2匹より甘みが幾分強いので、もしかしたら口に合わないと言う人もいるかもという感想だった。 「ごちそうさまでした。いやあ、予想以上にゆっくりは旨かったですよ」 「そうですか! 捕まえさえすればお家でも出来ますので、是非やってみてください。 調理法は普通の天麩羅と同じです。ゆっくりの繁殖法は分かりますか?」 「大丈夫です」 「それはよかった。毎月1回ぐらいの限定で目玉や飾り、もみあげの天麩羅なんかもお出し致しますので、宜しければまたお越しください」 「目玉……ですか?」 「はい、目玉です。目玉といっても寒天なので、食べても大丈夫ですよ。独特の触感がお客様にウケてます。他のも美味しいですよ」 「色んなのがあるんですねー。ありがとうございます、また来ますよ」 「ありがとうございましたー」 お金を払って店を出た。思ったより値段が良心的だったのでまた来ようと思う。 帰りに天麩羅粉まで買ってしまった。そのうち家でも試してみよう。 家に着いた。っと……? 窓が割れてる? 急いで鍵を開けて中へ入る。中には……いた。ゆっくりれいむとゆっくりまりさ、そしてその子供。 「ここはまりさたちがみつけたゆっくりぷれいすだよ! おじさんはでていってね!」 「でていっちぇね!」 「たべものをくれたらいてもいいよ!」 「おきゃねでもいいよ! いちまんえんだよ!」 ――どうやら、夕飯も天麩羅を食べることになりそうだ。 おしまい あとがきのようなもの お読み頂き、ありがとうございました。 前回書き忘れましたが、感想をくれた方、ありがとうございます。今後も精進していきたいです。 元ネタはアイスクリームの天麩羅です。一回だけ食べたことがありますが、まあアリかな、という感想でした。 それにしても、「天麩羅」とか「蕎麦」って字は旨そうです。書いてて食べたくなってきたので、明日食べに行きたいと思います。 あとがき追記 うpした後に天麩羅を食べに行ったんですが、行くつもりだった店が無くなっていました。ガッカリです。 さらに追記 何回か読んでいたら加筆できそうなところがあったので、一部加筆致しました。 あと、作者名も決めました。今後とも宜しくお願い致します。 今までに書いたもの お星様になってね! すぃーチキンレース by 天麩羅蕎麦
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※虐待パート小休止中。虐待のほかにもいろいろ書きたいことはある。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』14 この群れの中で、私たちは飼われることになった。 どれだけ懇願しても聞き入れられなかった。 群れはもとより、私のあのれいむさえ、私の懇願に耳を貸さなかった。 「おねえさん、いいかげんにしてね! むれのみんながそろそろおこりはじめてるんだよ!! ききわけがわるいとおもわれるとおしおきされちゃうよ!!」 「れいむ。本当に、お世話してくれるのは有難いと思うわ。 だけど、私たち人間は、あなたたちゆっくりとは違うの。ここではゆっくりできないわ」 「おねえさんはまだほんとうのゆっくりをしらないんだよ!! にんげんさんのむれより、ここのほうがずっとゆっくりできてるよ! ほんとうのゆっくりをおしえてあげようって、おねえさんのためにみんながんばってるのに、 おねえさんがすなおにいうことをきかないからみんながおこってるんだよ! ゆっくりりかいしてね!!」 「れいむ……」 「きょうのごはんだよ!!ゆっくりたべていってね!!」 上から落とされるのは、私たちの食事だった。 野草、茸、芋虫、蝶の死骸。 とてものこと食べられる代物ではない。 「こんな……食べられないわ。人間はこういうものは食べないのよ」 「もんくをいわないでね!! むれのみんなが、とくべつゆっくりできるごはんをおねえさんたちのためにわけてくれてるんだよ!! ごはんはそれしかないからね!すききらいをいうともうあげないよ!!」 れいむのその言葉を、私は苦い気持ちで聞いていた。 それは、かつて私がれいむに言っていた言葉だった。 『ご飯はそれしかありませんからね。好き嫌いするならもうご飯はあげませんよ』 『ゆゆぅ~!ごみぇんなちゃい!!むーちゃむーちゃ、それにゃりー……』 『わあ、ちゃんと残さず食べられたじゃない。偉いわよれいむ!』 『ゆっへん!れいみゅはしゅききりゃいしにゃいよ!』 『いい子のれいむはなでなでしてあげましょうね』 『ゆゆっ!おねえしゃんのなじぇなじぇだいしゅき~!』 「れいむ……お願いよ、せめてここから出して。逃げたりしないわ」 「ゆっ!おねえさんはまだゆっくりできてないからだめだよ!」 「でも……」 「くちごたえしないでね!むれのなかには、にんげんさんをきらってるゆっくりもいるよ!! ゆっくりできないままでそとにでたら、ほかのゆっくりにいじめられちゃうよ!! いいこになったらおそとにつれていってあげるからね!!ゆっくりいっしょにがんばろうね!!」 『おしょとにでちゃいよ!!おしょとにでちゃいよ!!おしょとでゆっきゅりしちゃいぃ!!』 『まだ駄目よ、れいむ』 『なんじぇえぇ!?おしょとであちょびちゃいぃ!!おちょもだちちゅくりちゃいいぃ!!』 『お外には、野生のゆっくりを嫌っている人もいるの。 今のままで外に出たら、そういう人たちに苛められちゃうわよ』 『ゆゆっ!?いじめりゃれるのはいやぢゃよ!!ゆっきゅりできにゃいよ!!』 『そうね。でもね、れいむが言うことをよく聞くいい子になれたらバッジをもらえるわ。 バッジをもらえば、もう人間さんにいじめられないの。 そうしたらお外に連れていってあげられるのよ』 『ゆっ!!ゆっきゅりわかっちゃよ!!れいみゅがんばっちぇいいきょになりゅきゃらね!!』 『うふふ、一緒に頑張りましょうね』 毎日、ゆっくり達は丈夫な蔓を垂らし、 その蔓に掴まってこの穴の底まで下りてきた。 その蔓を奪って上に登る手も考えたが、蔓がどこに繋がれているかもわからない。 ゆっくりが地上で蔓を掴んでいるだけかもしれず、だとしたら、 ゆっくり程度なら支えられはしても、人間が体重をかけたとたんに蔓ごと落ちてきかねない。 何より、そういう時は決まってドスまりさが笑顔で見守っていた。 ドススパークという兵器を備えているドスの監視下では、どんな抵抗も無意味だろう。 「ゆっゆっ!!おねえさんはゆっくりできてる?!」 「だめだよ!きょうもごはんさんをたべてないよ!!」 「ゆっくりできないね!!おねえさん!ぐずぐずしないでごはんをたべてね!!」 群れのゆっくり達は、降りてくるたびに食事をすることを要求した。 私はその度に首を振ったが、ゆっくり達の苛立ちは日増しにつのるようだった。 「なんでごはんさんたべないのおぉぉ!!?ゆっくりできないでしょおおぉぉ!!」 「わかるよー、すききらいするにんげんさんはゆっくりできないよー」 「むきゅう、あまやかされてしたがこえちゃってるのかしら? みんな、しんぼうづよくしつけましょう!」 「ゆっくりわかったよ!おねえさん!!さっさとごはんをたべてね!!」 施設から運び出したあのゆっくり達も毎日降りてきていた。 この子達の目的は明確に長浜圭一だった。 「ゆっへっへ!!ごみくず!!きょうもかわいがりにきてやったんだぜ!! かんしゃするんだぜ!!どげざしておれいをいうんだぜええ!!」 「ひきょうなてをつかってまりささまにかったぐらいでかんちがいするなだぜぇ!! いまこそけっちゃくをつけるんだぜ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっくりしね!!」 「しね!!しね!!あかちゃんかえせぇぇぇ!!!ゆっくりするなあぁぁ!!!」 「ごみくず!!よくもよくもあんなことができたね!!なんとかいってねぇ!!」 「すっきりするな!!ゆっくりするな!!いなかものおぉぉぉ!!!」 「あやまれ!!あやまれえぇぇ!!」 十三匹のゆっくりが、寄ってたかって長浜圭一に体当たりを浴びせる。 本来なら人間にとってたいした痛手ではないが、 折れた脚をかばっている状態では相当辛いらしく、 長浜圭一は黙って受けながら、しばしば苦痛に顔をしかめていた。 「ゆっ!ころしちゃだめだよ!!つがいがしんだらおねえさんがゆっくりできないよ!!」 群れのゆっくりは止めるでもなく、遠巻きに声をかける。 「ゆっくりわかってるよ!!」 「いわれなくてもすぐにはころさないのぜ!!いっしょういじめぬいてやるのぜぇ!!」 長浜圭一は何も言わず、うつむいたままただ黙って耐えていた。 この男があのゆっくり達にしてきたことを考えれば、止める気は起こらなかった。 ざまあみろ、という子供じみた心情がなくもなかったが、 しかし、正直、見ていて楽しい光景でもなかった。 「ゆっ!!おねえさん、よくみててね!! ゆっくりをいじめたにんげんさんはああいうめにあうんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「ああなりたくなかったら、とかいはなありすたちのいうことをよくきいてせれぶなにんげんさんになりましょうね!!」 「ゆぅ~、れいむのおねえさんはだいじょうぶだよ!!あんなふうにはならないよ!!」 「でもこのおねえさん、わがままだよ!!いうことをきかないよ!!」 「ゆっ、とまどってるだけなんだよ!!そのうちおちついたらいうことをきくはずだよ!!」 群れのゆっくり達が諭してくる。 しかし、私は頭上に開いた穴から覗きこんでいるドスまりさに向かって今日も訴えた。 「ねえ、私の言うことを信じて! 本当に危ないの。もうすぐここに人間さんがやってくるわ!」 「ゆゆぅ~、それはききあきたよ!!もういいよ!!」 「取り返しがつかないことになるのよ! あのゆっくり達が、いいえ、もしかしたら他のゆっくり達も巻き添えになるかもしれない。 次に人間に捕まったら、本当の地獄の苦しみを与えられることになるわ! それこそ、あのお兄さんがやったことなんてままごとよ!それぐらいの目に逢うのよ!!」 「ゆふぅ~、どすはにんげんさんなんかにまけないよ!! ゆっくりできないにんげんさんはどすがどすすぱーくでやっつけるよ! どすのむれはどすがまもるからね!ゆっくりあんしんしてね!!」 「ゆぅぅ、どすはゆっくりできるね!!」 「どす!!どす!!ゆっくり!!ゆっくり!!」 この話を持ち出すたびに、いつもこのパターンでうやむやにされる。 威勢のいいことを言うドスに、群れのゆっくり達は興奮して飛び跳ね騒ぎ、私の言うことになど耳を貸さない。 無力感に襲われながら、私はもう一つの訴えを口にした。 「ねえ、春奈はどこ!?」 「ゆっ?ちいさいおねえさんのこと?」 何度も名前で呼んでいるが、人間の名前は覚えてくれない。 「私の子供、おちびちゃんなのよ。お願いだから子供に会わせて!」 「むきゅ、なんどもいってるわよ!!だめよ!!」 今度はぱちゅりーが口をはさんでくる。 周囲のゆっくり達がひそひそと言葉を交わした。 「ゆぅ、やっぱりにんげんさんはあたまがわるいんだね!」 「なんどもいってるのにおぼえられないみたいだよ!かうのはむりだよ!!」 「ゆゆっ、れいむのおねえさんならだいじょうぶだよ!! なんかいもいっていればおぼえてくれるよ!みんな、がんばってしつけようね!!」 ぱちゅりーは私に向かって続けた。 「おねえさんのおちびちゃんはほかのところにかくりして、むれのためにはたらいてもらってるわ! だからあんしんしなさい、むきゅ!」 「一目でもいいから会わせて!食べるものもないのよ!」 「むきゅ、ちゃんとたべてるからしんぱいしなくていいわ!」 「たべてないよ!」 群れの中から、口を挟むゆっくりがいた。 「ごはんはあげてるけど、ちいさいおねえさんもたべてないよ!」 「むきゅ、よけいなことをいわないでね!! よけいなしんぱいをさせたってなんにもならないでしょ!!あんしんさせようときをくばってるのに、むきゅ!!」 「ゆゆっ!!ゆっくりごめんなさいだよ!!」 ぱちゅりーの一喝でそのゆっくりは口をつぐんだ。 「ねえ、食べてないの!?お願い、会わせて!!ここじゃ生きていけないのよ!!」 私はそのゆっくりにすがったが、そのゆっくりは口をつぐんだままそそくさと群れの後方へ引っこんでしまう。 代わりにぱちゅりーが言葉をかぶせてきた。 「おだまりなさい、むきゅ! かんたんなことよ!にんげんさんがいいこでいれば、すぐにこんなところはだしてあげるし、 おちびちゃんにもあわせてあげるわ! いまおちびちゃんにあわせたら、にんげんさんだけでゆっくりしすぎて、むれではいきていけなくなるおそれがあるのよ! ゆっくりりかいしてね!」 群れの他のゆっくり達が、ぱちゅりーに同調して飛び跳ねる。 「おねえさん!れいむたちだって、おねえさんにおちびちゃんとゆっくりしてほしいよ!!」 「そうだよ!!かぞくでいっしょがいちばんゆっくりできるよね!!」 「だけど、いまゆっくりしすぎたらゆっくりできるにんげんさんになれないよー。 ちぇんたちだってつらいんだよー、わかってねー」 「ねんをおすけど、すっごくかんたんなことなのよ、むきゅ! みんなのいうことをすなおにきいて、ゆっくりできるにんげんさんになればいいだけよ! おちびちゃんにあいたかったらよくかんがえなさい!」 夜になれば、穴はふさがれた。 ドスまりさが蔦を結び合わせて作った大雑把な網が穴の口に差し渡され、 葉の多い木の枝が何本も網にかけられてカモフラージュされた。 この穴は、もともとゆっくりの巣だったらしい。 地下に掘られていた巣が、天井が崩れて大穴があいたために捨てられたのだろう。 空腹と心労で眠るどころではなかった。 ここに来てからもう三日が経つ。その間何も食べていないし、飲んでもいない。 腹がぐうと鳴り、みじめな気分になる。 穴の壁にもたれかかり、私は呻いた。 「腹が減ったか?」 見ると、長浜圭一が近付いてきていた。 暗がりでよくわからなかったが、片膝立ちでこちらににじり寄ってきたらしい。 「あなたは?」 「俺はいい。あんたは?」 「お腹すいてるわよ」 「食うものならあるぞ」 そう言って、長浜圭一は右手に何かを載せて差し出してきた。 暗くてよくわからなかったが、近付いて目をこらすと、餡子らしかった。 「あなた……どうしたの、これ?!」 「別にゆっくりを潰したわけじゃない。 昼の間、あのゆっくり共が俺をいじめていたろう。 その時に糞もかけられた。それを集めたんだ」 「………うんうんなの?」 「人間にとっちゃ、ゆっくりの排泄物はただの餡子だ。問題なく食えるだろう」 「……あなたは食べないの?」 「俺の分はもう食った。食え」 差し出されるまま、私はその餡子を受け取って口に入れた。 水がほしかったが、それでも餡子はとてもおいしかった。 私が食べるのを見届けると、長浜圭一はすぐに離れ、 穴の反対側の暗がりに引っこんでしまった。 すでに三日目の夜がふけようとしていた。 進退きわまり、私はこの穴の底で思い悩んでいた。 予想していたよりも遅すぎる。 あの車の発信機で、長浜圭一はバイクですぐにここをつきとめた。 長浜圭一と須藤春奈、計画の首謀者が二人行方不明となっている今、捜索が始まっていないということはないだろう。 捜索が始まったなら、足跡を辿るなり付近のゆっくりを問い詰めるなりして、 一日もかからずにここは突き止められるはずだ。 しかしすでに三日が経とうとしている。 想像していたよりも捜査が困難なのか、 それとも、考えにくいことだが、なにかの事情で見捨てられたか。 携帯電話があれば知人に連絡がとれるのだが、 悔しいことに、携帯を含めた荷物はすべて車の中に置いてきてしまった。すぐに戻ってくるつもりだったからだ。 長浜圭一はといえば、目隠しをしている間になにかの拍子に落としたと言っている。 外界と連絡する手段は一切が立たれていた。 本来、望ましい成り行きのはずだった。 あのゆっくり達を追っ手から逃がすためにここまで来たのであり、 探しても見つからないのであれば喜ぶべきなのだ。 しかし、私はどうなる? 穴の底から這いあがれず、ドスまりさに見張られてどうすることもできない。 助けがこないなら、私と長浜圭一は、ここでどうすればいいのか。 いや、どうなるのか? ゆっくりの排泄物を口にしながら、ここでずっとゆっくりに飼われながら生きていく? その可能性に思い当たり、私は心底ぞっとした。 悪寒、屈辱、閉塞感。 冗談じゃない。 「おねえさん…」 暗闇の中に、声が響いてきた。 見上げると、穴の口をふさぐ枝の一部をどかし、一匹のゆっくりが見下ろしているようだ。 声のニュアンスで、私のれいむだと知れた。 「おねえさん、ゆっくりできてる?」 「…………ゆっくりできてないわ」 「ゆゆ~、ゆっくりしていってね……」 私は立ち上がって叫んだ。 「れいむ!お願いだから話を聞いて!!」 「ゆゆっ?なんでもいってね!」 「今すぐここから出して!春奈にも会わせて! ドスまりさのいない今ならできるわ!」 「ゆっ!だめだよ、おねえさん!! ここじゃないとほんとうにゆっくりできないんだよ!!おねがいだからゆっくりりかいしてね!!」 もしかしたら助けに来てくれたのではないかという淡い期待はもろくも裏切られた。 本心から、このれいむは私をペットだと思っている。 「おねえさん……どうしてみんなのいうことをきかないの?」 「人間はここじゃ暮らせないのよ。 あなたたちゆっくりの食べ物は私たちは食べられないわ!」 「ゆっくりがまんしてね!ここのごはんさんはそれしかないよ!」 「私の家に住んでいた時は、あなたももっとおいしいご飯を食べていたでしょう?」 「ゆゆっ!あまあまはゆっくりできたよ! でもむれのみんなとむーしゃむーしゃするほうがもっとゆっくりできるんだよ!! にんげんさんのむれはゆっくりできなかったよ!!」 「にんげんさんはゆっくりできる」、それがこのれいむの口癖だった。 そのれいむが今、人間はゆっくりできなかったと断定していた。 いざという時のことを考え、日頃から甘くない食事をする訓練をしていたことを、 私は初めて後悔した。 いっそのことあまあまばかりを食べさせて舌を肥えさせておけば、 野生の群れに溶け込むこともできず、私の脱出に協力してくれただろう。 「そんなにここがゆっくりできるの?」 「ゆっ!あたりまえだよ!!ここはさいこうのゆっくりぷれいすだよ!! おねえさんもすなおになってこころをひらけばすぐにわかるよ!!」 「群れは楽しいことばかりじゃないのよ?冬籠りは辛いわよ。 森の食べ物なんてすぐに食べつくして、いつも移動しているのがゆっくりの群れ。 れみりゃやレイパーに襲われることだってあるのよ?」 「ゆゆぅ~、だいじょうぶだよ!みんなとちからをあわせればのりこえられるよ!!」 ゆっくりの群れに初めて参加したばかりのれいむは舞い上がっているようだった。 大勢の同種の仲間ができたことを今はひたすら喜んでいるが、 自然の厳しさがまるで実感できていない。 人里に近い群れでは、冬籠りを初めとした自然の厳しさに苦しみ、人里に下りてくるゆっくりが後を絶たないというのに。 冬が来れば、人家の庇護に慣れきったれいむが早々に根をあげることは目に見えている。 しかし、今は夏だった。 どれだけ言葉をつらねても、「みんなとちからをあわせればへいきだよ」の一点張りで一蹴された。 「おねえさんはゆっくりできてなかったよ!」 れいむはそう言った。 「にんげんさんのむれは、みんないつもいそがしそうにうごきまわっててゆっくりしてないよ! おねえさんだって、まいにちおそとにいって、れいむたちとあそんでくれなかったよ!!」 「それは……しょうがないのよ、れいむ。 人間の群れでは、みんな働かないと御飯が食べられないのよ。 ゆっくりだって狩りをするでしょう?」 「そんなのおかしいよ!ゆっくりよくかんがえてね!! かぞくやおともだちといっしょにゆっくりするのがいちばんだいじなおしごとでしょお!? かりもだいじだけど、それがおわったらみんなずっとゆっくりしてるんだよ!! おねえさんのかりはながすぎるよ!!ぜったいおかしいよ!!」 『おねえしゃん!!どきょいきゅのおぉぉ!?』 『お姉さんはお仕事よ。いい子でゆっくり待っててね』 『いやぢゃ!!いやぢゃ!!ここにいちぇよおぉ!!あしょんでよぉぉ!!しゅーりしゅーりしちぇえぇ!!』 『めっ!わがまま言わないの。おしおきよ?』 『ゆうぅ!おしおきはやめちぇぇ……ゆっきゅりわかっちゃよぉ……』 『いい子ね。帰ってきたらたっぷり遊んであげるわ。お土産買ってくるからね!』 『ゆうぅぅ!!はやきゅ!はやきゅかえっちぇきちぇにぇぇぇ!! おねえしゃんもゆっきゅりしちぇねえぇえ!!』 「……れいむ、ごめんなさい………」 「ゆっ!だいじょうぶだよ!!ここならおねえさんもゆっくりできるんだよ!! たっぷりゆっくりしていってね!!」 私は首を振るしかなかった。 れいむはそれからも説得を重ねてきたが、私はうなずくわけにはいかなかった。 こんなところで一生を過ごすなんて考えられない。 ついにはれいむが癇癪を起した。 「いいかげんにしてよおぉ!!なんでわかってくれないのおぉぉ!!? れいむやむれのみんながきびしいことをいうのはぜんぶおねえさんのためなんだよぉ!! にんげんさんなんてゆっくりできないのに、 みんなはやさしいからおいださないでめんどうをみてくれてるんだよ!! おねえさんがわがままをいってもがまんしてかってくれてるのに、 なんでおねえさんはじぶんのことしかかんがえられないのおおぉぉぉ!!?」 「れいむ…………」 れいむは怒鳴り、そのまま穴の淵から消えてしまった。 『わがままを言うんじゃありません!なんでわからないの?』 『ゆゆっ……』 『おねえさんはれいむには厳しく見えるかもしれないわ。 でも、れいむが憎いわけじゃないの。 れいむがいじめられたりしないように、れいむにはバッジが必要なのよ。 今はつらいけど、一緒にがんばりましょう』 『ゆゆぅ~……ばっじしゃんはゆっきゅりできりゅ?』 『ええ、とっても!』 『ゆっ!れいみゅ、がんばりゅよ!』 『そうね。そのためには自分のことばかり考えてちゃだめよ? 他の人やゆっくり達がゆっくりできるにはどうするかを考えられるのが本当のゆっくりなの』 『おねえしゃん……でも、れいみゅにはわきゃらにゃいよ……』 『それはこれからお姉さんが教えてあげるわ。少しずつ覚えていきましょうね』 『ゆっ!!みんにゃをゆっきゅりさせりゅよぉ!!』 苦い回想を噛みしめていると、数分後にれいむが再び顔を出した。 れいむは言った。 「……おねえさん。 ついきびしいことをいったけど、ほんとうにおこってるんじゃないよ。 れいむはいつもおねえさんのみかただからね。 みすてないからあんしんしてね。……ゆっくりおやすみなさい」 それきり、れいむは本当に行ってしまった。 私は泣いた。 悔しかった。 生まれたときから何年も躾け、愛し、人間との上下関係を教えてきた。 生来プライドの高いゆっくりを辛抱強く訓練し、 私の方が飼い主であり、人間に飼われているという立場を自覚させ、 その線引きをわきまえてこそゆっくりできるのだと教えてきた。 ゆっくりの本能に打ち勝ち、れいむの心身に沁み込んだと思いこんでいたその教えが、 ゆっくりの群れに入ったとき、一瞬でたやすく覆されてしまった。 今、私のれいむは、大勢の仲間たちに同調し、私をペットとして下に見ている。 理性では、当然のこととして理解できていた。 違う種族よりも、自分と同じ種族の言うことに従うのは生物として自然なことだろうし、 人間のもとで躾られ、様々なことを我慢させられてきたれいむにとって、 ゆっくりすることが何より優先され、正義とされるこの群れはまさに天国だろう。 今のれいむがやっていることに、生物として、不自然なところは全くなかった。 しかし、理屈でそう理解できても、感情まではコントロールできなかった。 私は地面に突っ伏して泣きじゃくった。 「あらゆるゆっくりと、考えうるかぎりの接し方を経験し、ゆっくりと仲良くなる方法を研究してきた」 長浜圭一が、暗がりの奥で喋っていた。 「あんた、そう言ったな」 「…………」 「ゆっくりに飼われる、というパターンは試さなかったのか?」 返答する気力もなく、私は泣きつづけた。 四日目の昼が訪れようとしていた。 「ゆっ!!ゆっくりしないでごはんさんをたべてね!!」 「おちびちゃんたちもおしえてあげてね!!」 「ゆゆっ、おねえしゃん!!ごひゃんしゃんはゆっきゅりできりゅんだよ!! みちぇちぇにぇ!!むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~♪」 「ほら、おちびちゃんにだってできるんだよ!おねえさんもがんばろうね!!」 ゆっくりに囲まれながら私は苦しんでいた。 服の下を脂汗がしたたる。 切実な問題が私の体を襲っていた。 便意だ。 もともと多少便秘気味ではあったが、いいかげん限界だった。 オシッコの方は、真夜中に暗がりの奥でなんとか気付かれないようにすませたが、 大きいほうは気付かれないようにというわけにもいかない。 なにしろ証拠が残るのだ。 とうは立っているが、女として、排便を見られるのだけは避けたい。 そんなところを見せるぐらいなら死んだほうがましだ。 そう思って耐えてきたが、もう限界だった。 痛む腹を抑えながら、私はゆっくり達に訴えた。 「お願い……お願い、ここから出して……」 「またわがままいううぅぅ!!」 「いいきゃげんにしちぇにぇ!!れいみゅもおきょるよ!!」 「駄目よ。本当に駄目なの………あの、あれ、うんうんしなきゃ……」 「ゆゆゆっ!!」 ゆっくり達が顔を見合わせた。 「ゆっ!おといれさんをおしえるちゃんすだね!!」 「おねえさん!うんうんはきめられたところでしかしちゃいけないんだよ!!」 「いまおといれさんをつくってあげるからね!!」 見る間に数匹のゆっくりが、上から草の束を運んで洞窟の端に積み上げた。 「ちょっと……何、それ……?」 「ゆっ!おといれさんだよ!!うんうんはここでしてね!!」 血の気が引いた。 どうあってもここでしろというのか。 「い、嫌!嫌よ!絶対に嫌!!」 「なんでいうこときかないのおぉぉ!!?」 「おねえさんのためにせっかくつくってあげたんだよおぉ!!もんくいわないでつかってねえぇ!!」 私は拒否したが、拒否したところで事態は好転しそうになかった。 私は、せめてもの譲歩を願った。 「わかった……そこにするわ、するから……見ないで。みんな上に上がって待ってて」 「ゆっ!!だめだよ!!」 「そうだぜ!!まりさたちがおしえてあげないと、きっとまちがえるのぜ!! なれるまではうんうんのしかたをおしえてあげるんだぜ!!」 「間違えない……間違えないから!!」 「いいかげんにしてねぇ!!さいしょからじょうずにできるわけがないでしょおぉぉ!!? だまってれいむたちのいうとおりにしてねぇ!!」 ゆっくり達が意地になって飛び跳ねる。 私は長浜圭一の方を見た。 長浜圭一はいつもの様に、施設のゆっくり達に取り囲まれて体当たりを受けていたが、 今の話を聞いていたのか、こちらには完全に背を向けてうずくまっていた。 気遣いはありがたかったが、それでも踏ん切りがつかなかった。 わめきたてるゆっくり達に、私は首を振り続けた。 その時、施設のありす達が蔦に捕まって降りてきた。 今日も長浜圭一を苛めにきたようだが、遅れてきたのは珍しかった。 「ゆっ!おそかったね!」 施設のまりさがありす達に声をかける。 ありすは紅潮した頬を震わせて答えた。 「ゆふぅ~……きょうもたっぷりすっきりしちゃったわ! にんげんはやくたたずのいなかものだけど、おはだとまむまむだけはとかいはね!!」 人間? すっきり? 「どういう事?」 私は思わず聞いていた。 「ゆゆ?かちくのくせにありすにはなしかけないでね! ごみくずとちがってありすはこうきなせれぶなのよ!」 「すっきりって何!?人間って誰のこと!?」 「ゆゆっ、きまってるじゃない。おねえさんのおちびちゃ――」 「よけいなことをいわないでね!!」 私のれいむが遮った。 「むれになれて、けいかいしんがとけるまでいっちゃだめっていってるでしょおぉ!? せっかくおねえさんがなつきそうなのにいぃ!!」 「ゆふんっ、おしえてあげればいいじゃない!」 嗜虐を顔に浮かべて、ありすは言い放った。 「おねえさんのおちびちゃんは、むれのすっきりようにんげんとしてはたらいてもらってるわ。 にんげんのおはだはとってもすべすべですっきりできるってことを、 とかいはなありすがみんなにおしえてあげたのよ! それからみんなあのおはだとまむまむにむちゅう。 やくにたたないくそどれいだったけど、むれでのおしごとができてよかったじゃない。 にんげんがあいてならあかちゃんはできないから、めんどうごとがなくてべんりよね!」 「いいかげんにしてね!おねえさん、ぜんぶうそだからね!!ね、みんな!!」 私のれいむが群れに賛同を求めると、不自然に統一された返答が返ってきた。 「ゆゆっ!れいぷなんてしてないよ!おねえさんはあんしんしてね!!」 「まりさもしてないのぜ!!あんしんするのぜ!!」 「しんぱいしないでおねえさんはゆっくりにしゅうちゅうしてね!!」 「にんげんさんはきもちいいけど、れいむはしてないよ!!あんしんしてね!!」 「おねえさんはしんぱいしなくていいから、みんなのいうことをきいてね!!」 ドスまりさも頭上から叫んでいる。 春奈。 まだ十一歳になったばかりの私の娘。 私の春奈が、おそらく食事もできないまま、何十匹ものゆっくりの慰みものにされている。 私は生まれて初めて、ゆっくりを潰したいという強い衝動にかられた。 しかし自分の力では穴から出ることもできず、ドスまりさが見張っている状況下ではそれもできなかった。 「私の子供には手を出さないで!」 「ゆゆっ!だからなにもしてないよ!!ゆっくりしんじてね!!」 「だいじょうぶだよ!! にんげんさんはほかにおしごとがないからしかたないんだよ!!」 「おしごとをしないにんげんさんはおいておけないよー、わかってねー」 「そうなんだぜ!!でもまりさたちはなにもしてないのぜ!!」 「すっきりしたいなら私がしてあげるから!子供は許してよ!!」 私は叫んだが、あの施設のありすが断定してきた。 「くそばばあじゃすっきりできないわよ!いなかものね! おちびちゃんのおはだのほうがすべすべですっきりできるわ!! いちばんすっきりできるのは、うまれたばかりのおちびちゃんよ!! わかったらもっとあかちゃんをつくりなさい!!」 「そんな……!」 「ゆゆっ!!」 群れのゆっくり達が色めきたった。 「おねえさん!!あかちゃんつくってね!!」 「れいむたちはなにもしないよ!!あんしんしてあかちゃんつくってね!!」 「あかちゃんはすっきりできるよ!!……まちがえたよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おちびちゃんにはなにもしないからね!!あかちゃんつくってね!!」 満面の笑顔で、ゆっくり達は要求しつづけていた。 一縷の望みでもあれば、土下座でもなんでもして懇願しただろう。 悪意からの監禁であれば、相手の気がすむように自分を貶めてみせただろう。 しかし、このゆっくり達は、善意で私を監禁していた。 こうしたほうが私のためになると、心底から信じこんでいた。 私が何を懇願しようと、万が一にも聞き入れられることはないだろう。 私の願いを聞けば、私のためにならないと思っているのだから。 道は一つしかなかった。 このゆっくり達に服従し、群れのペットとして言われるままに従う。 そうやって安心させれば、ここから出られる。 出られさえすればチャンスもあるだろう。 長浜圭一が依然として背を向けているのを確認した後、 私は泣きながら、ズボンのベルトに手をかけた。 「やったよおぉぉ!!うんうんできたよおおおぉぉ!!!」 群れのゆっくり達が飛び跳ね、はしゃいでいる。 「ここがおといれさんだからね!!うんうんはいつもここでしてね!!ゆっくりおぼえてねぇ!!」 「みんな!れいむのおねえさんはやっぱりいいこだったでしょ!!ゆっへん!!」 「みんなでがんばったかいがあったねえぇ!!」 「えらかったね!!えらかったね!!」 「すーりすーりしてあげるね!!すーり、すーり!」 「おねえさん、そのちょうしだよ! これからもいうことをよくきくいいこでいれば、いつもすーりすーりしてあげるからね!!」 「ごほうびをあげるね!!まりさのだいじなたからもののいしさんだよ!! おねえさんがはじめていうことをきいたきねんだよ!! これからもみんなのなかまになれるようにがんばろうねぇぇ!!」 「ゆゆぅ~、くちゃいよ!!にんげんしゃんのうんうんはゆっきゅりできにゃいよ!!」 「ゆゆっ、そんなこといっちゃだめだよ!!おねえさんはがんばったんだよ!!かわいそうでしょ!!」 自分たちの努力と勝ち取った美談に酔い、互いに頬を取り合って屈託なくはしゃぐゆっくり達。 そのどれもが、一点の曇りもない善意と達成の確信に満ちた表情を浮かべ、満ち足りている。 私は、うつむいてただ泣いていた。 泣いても無駄だとわかっていたが、どうしても涙を止めることができなかった。 その日から、私はゆっくり達の命令に服従した。 虫はどうしてもだめだったが、それ以外の食事はなんとか口に押し込んだ。 「うぶ……うぐっ」 「ごはんさんをたべたらむーしゃむーしゃしあわせーしてね!! しあわせーをしないとゆっくりできないよ!!」 「む……むーしゃ、むーしゃ、しあわせー……」 「もっとおおきなこえでわらいながらいってね!!ゆっくりできるよ!!」 「むーしゃむーしゃしあわせー!!」 「よくできたね!えらかったね!!ごほうびにすーりすーりしようね!!」 『むーちゃむーちゃ、しあわちぇー!』 『こら!しあわせーはまだ駄目!黙って食べなさい』 『どぼちちぇえぇ!?むーちゃむーちゃちあわちぇーちにゃいとゆっきゅりできにゃいよ!!』 『食べながらしあわせーを言ったらご飯がこぼれちゃうでしょ? ほら、こんなに散らばっちゃってるじゃない』 『ゆゆっ!!でもちあわちぇーちにゃいとおいちくにゃいよ!!』 『しあわせーは全部食べおわってからならしてもいいわ。 たくさん我慢してから最後にしあわせーしたほうがゆっくりできるわよ?』 『ゆぅぅ……ゆっきゅりわかっちゃよ……むーちゃ、むーちゃ』 『むーちゃむーちゃもだめよ。静かにお行儀よく食べてね。お行儀のいいゆっくりになればバッジがもらえるわよ』 『ゆゆぅ~………しあわせー!!』 『はい、よくできました!明日は「ごちそうさま」を覚えましょうね』 『れいみゅがんばっちゃよ!!なーでなーでしちぇにぇ!!』 「うんうんちゃんとしてるね!!いうことをきくおねえさんはゆっくりできてるね!!」 「うんうんをかたづけてくるからね!!おといれさんをきれいにしてあげるよ!!」 「おにいさんもおねえさんをみならってね!!そんなところにうんうんしちゃだめだよ!!」 長浜圭一のほうは、さすがに私の傍で便を処理するわけにもいかず、 夜中に反対側の壁に穴を掘ってすませているらしかった。 「おうちのなかでおといれさんいがいにうんうんするとゆっくりできないよ!!」 「おねえさんはいいこだからもうわかってるよね!!」 「ゆっくりできるね!!」 『これは何!?』 『ゆっ!おねーしゃん、おきょっちぇるにょ?れいみゅわりゅいこちょしちぇにゃいよ!』 『いいから答えて。これは何かしら』 『ゆゆっ!きゃわいいれいみゅのうんうんだよ!!』 『こら!決まったところ以外でうんうんしちゃいけません!』 『ゆっ!?れいみゅはうんうんがしちゃかっちゃんだよ!!ゆっきゅりきゃいしちぇにぇ!!』 『言い訳になってません!謝らないとおしおきよ?』 『ゆゆっ!やめちぇにぇ!やめちぇにぇ!!ごめんなちゃいぃ!!』 「ゆっくりおうたをうたおうね!!れいむがうたうからよくきいてね!! ゆっゆっゆ~~♪ゆゆゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~♪」 「れいむのおうたはゆっくりできるんだぜ!! おねえさん、まねしてうたってみるんだぜ!!」 「……ゆっゆっゆ~~♪」 「ゆゆっ!やめてね!ゆっくりできないよ!!」 「きたないこえだね!!ゆっくりしたおうたをうたえないとなかまにはいれないよ!!」 「ゆっくりおしえてあげるからね!!がんばってゆっくりうたえるようになろうね!!」 「ゆっゆっゆ~~♪ゆゆゆゆゆ~……」 「きくにたえないんだぜぇぇ!!まじめにやるんだぜぇ!!」 『ゆゆ~ゆっゆ~♪ゆゆゆゆ~ゆ~♪』 『れいむ、静かにしなきゃだめよ。お隣さんの迷惑になっちゃうでしょ?』 『ゆゆっ!!れいみゅはおうちゃをうちゃいたいよ!!おうちゃはゆっきゅりできりゅよ!! おねーしゃんもれいみゅのおうちゃでゆっきゅりしちぇにぇ!!ゆっゆっゆ~♪』 『だめよ!むやみに歌っちゃだめ。ゆっくりのお歌が嫌いな人間さんもいるんだから』 『にゃんでぇぇぇ!?うちょいわにゃいでにぇ!!』 『嘘じゃないわ。これからは、お姉さんがいいと言った時だけ歌うようにしてね。 明日は広い野原に連れていってあげるから、そこで一杯歌ってね』 『ゆゆゆっ!たのちみ~♪』 いつまでたっても助けはこなかった。 夏場の洞窟はひどく蒸し、服を変えることもできず、 汗や便の悪臭が洞窟内に充満した。 その悪臭のために、ここに下りてくるゆっくりはやや減少したが、 教育熱心なゆっくりや、長浜圭一への復讐にかられた施設のゆっくりは毎日やってきた。 一週間が過ぎたころ、私の心にはあきらめの影が差しこみはじめていた。 本当に、一生をこの群れの中で過ごすのかもしれない。 よしんば仲間と認められて外に出られたところで、私に割り当てられる仕事は何になるのか。 まさか本気で、私に子供を産ませ、それをすっきりに使う気でいるのか。 人間の常識も倫理もここでは一切通用しない。 まして家畜の子供など、鶏の卵のように利用されるだけだとしても不思議はない。 自殺の可能性さえ頭をよぎる。 助かりたかった。 この地獄から一刻も早く抜け出したかった。 同時に悲しかった。 自分の中でのゆっくり像が、憎々しいものに変わっていくのをどうすることもできなかった。 毎日ゴミ同然の雑草を食べさせられ、大勢の注視のもと排便させられ、罵られながら喉が涸れるまで歌わされた。 この生き物を、もはや前のように愛することはできないだろう。 そしてまた、自分自身も悲しかった。 確かに、私が今されていることは、かつて私がゆっくり達にしてきたことなのだ。 食事中の「しあわせー」を禁じ、歌も制限し、好き嫌いを許さなかった。 ゆっくりの要求を殆ど抑えつけ、一方的に人間に都合のいい常識を押し付けてきた。 それでも、ゆっくり達は曲がりなりにも私になついてくれた。 私のれいむがここで私の躾をしているのも、私を愛しているからこそだろう。 意趣返しというか、上に立つことの優越感は十分楽しんでいるようだが、私にそれを責める権利はない。 ここで世話をされながら、私はゆっくりに感謝することができなかった。 かつて私のゆっくりたちがしてくれたようには、自分の常識を曲げてまで相手の善意に報いることができない。 あれほどゆっくりを愛していたはずなのに、その善意に応えることができない。 ゆっくりのように、自然に無邪気に、強者の膝元に這いつくばることができればどれだけ楽か。 明らかに相手より弱い立場にいながら、私は弱肉強食という自然の摂理に逆らい、 人間としてのプライドに縛られて相手を怨むしかできない。 あれほど、ゆっくりを愛しているつもりでいた。 それは結局のところ、自分のほうが上に立っているという安全地帯での傲慢なままごと遊びでしかなかった。 いまや私は、 はやく見つけ出してもらい、娘ともども助け出してほしいというただそのことのみを願い、 ゆっくりをあの悪魔のような計画から守るという当初の大義は雲散霧消してしまっていた。 そんな私の弱さが何よりも悲しかった。 やがて八日目の昼になると、助けが現れた。 続く
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多分既出ネタです、すみません それに加えて色々と俺設定が入ってます。 俺はゆっくりの虐待が好きだ 三度の飯よりも虐待が好きだ しかし、本当に虐待ばかりでは、生計を立てられない そこで、俺は考え付いた 趣味と実益を兼ねるのだ 「ゆっくり菓子職人」 今日も俺のゆっくり菓子製作が始まる。 ゆっくりはそもそもお菓子じゃないか、と思いの貴方、それは間違いである。 ゆっくりが恐怖・絶望を与えると甘くなるのは周知の事実でしょう。 これを利用することによって、至高のお菓子を作り上げることが俺の使命。 さあ思う存分虐待を…いや、菓子作りを始めることとしましょうか。 まず用意するゆっくり。これは野生のなるべく元気なゆっくりを選びましょう。 頭がお幸せで、世界は自分を中心に回っていると思っているような奴を。 早速、1匹のゆっくりれいむを捕まえてきました。 おお、頭にゆっくりが生っています!これは貴重な料理素材です。 赤ゆっくりは味に変化を持たせることができるので、とても重宝します。 しかし、親子でないと味が反発しあうことがあるんですねー。 今回捕まえたゆっくりはちょうど出産直前ですので、最適なわけです。料理のし甲斐がありますね! とりあえず、生まれてきた赤ゆっくりには、発情させたゆっくりありすの出す透明な粘液を塗って放置しておきます。 こうすることで、表皮が柔らかくしておくのです。 さて、親のゆっくりれいむですが、今の状態では髪の毛やリボンが邪魔です。 そこで、まずリボンを取り外しておきます。このリボンは後で使うので取っておきます。 髪は雑味の原因となるので、火で炙って、全て燃やしてしまいます。 こうして見事にハゲゆっくりが出来上がります。 あ、そうでした。今後の調理がしやすいように、あんよもしっかりと焼いておきます。 こうしておけば調理中にゆっくりがテーブルから落ちて潰れる心配がありませんね。 こうしてゆっくりを安定させたら、ゆっくりありすを取り出します。 もちろん発情した状態のありすです。 これを置いておくと、勝手に行為を始めてくれるので、しばらく待ちます。 おっとすっきりしてしまいそうでした。危ない危ない。 すっきりしてしまうと台無しです。ありすはもう使わないので捨てておきましょう。あ、食べますか? 適度にホクホクになったハゲゆっくり。 つぎはいよいよ赤ゆっくりを使います。 赤ゆっくりは丹念に潰していきます。これには力の調節が必要です。ゆっくりと、握るように潰していきます。 一気に力を入れると形が崩れてしまうので、力を徐々に入れていき、餡子をひねり出すのです。 握りつぶした餡子をハゲゆっくりに塗ります。丁寧に、目と口の周りにも、擦りこむように塗っていきます。 餡子は少し残しておいてください。これも後で使います。 完全に塗り終わったら、上から小麦粉を練って作った生地を被せて、形を整えます。これで元通り。 さらに、れいむの髪型を、赤ゆっくりの餡子を使って再現します。そして、取っておいたリボンをつけます。 これでとりあえず出来上がりました。 しかし、まだお出しするわけにはいかないんです。 最後の仕上げ、今回調理したれいむのお相手のまりさです。 こちらはあんよを焼いてあるだけなので、割と正常です。 これらを一緒に二つセットで皿に乗せて完成! 最後に一つ。 お召し上がりになる際は、れいむのリボンを解き、髪の毛(の形をした餡子)からお食べください。 これには理由があります。 ゆっくりは、主に装飾品や外見で仲間を認識します。 よって、禿げゆっくりになったれいむは、もうまりさに相手にされません。 これによって、食べられる最期までお互いを支え合っていた2匹の関係は一瞬にして無くなります。 自分の子供を失い、パートナーも失った、絶望の渦中のゆっくりはさぞかし美味しく頂けるようになっていると思われます。 では、ごゆっくりお楽しみください。
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最近幻想郷にゆっくりとかいう生物があらわれた。 その体は餡子でできてる故幻想郷の食糧事情に貢献したわけだが1つだけ被害を受けたところがあった。 それは菓子屋だ。 ゆっくり増えるよ!by昔話 そして俺は幻想郷で菓子屋を営んでるうちの1つ 名前はわざわざ言うまでもないだろう さて、どうして恩恵を1番受けそうなところが被害を受けているのかというと・・・ カランっ 「あ、いらっしゃいませ~」 「この店もまだお饅頭高いわねぇ 隣町の○○さんのところなんか~」 「はぁ・・・気をつけます」 「次くる時までに安くしておきなさいよね!」 っとこのとうり値段でしか物事を考えないババアに何かと言われるからだ。 利益目的で饅頭の中身をゆっくりにした菓子屋に 小豆から作っているうちの菓子屋が値段で勝てるわけないだろ 常識的に・・・ かと言ってもゆっくりを使っているところは値段をうちの半額ほどにしている (と言っても以前はうちのところくらいが適正価格だったのだが) そういう訳で物は試し 長い物には巻かれろという言葉もあるとうりうちの店も普通の饅頭の半分の価格の ゆっくり饅頭を作ってみることにした。 まず材料として当然ながらゆっくりが必要だ ゆっくりを捕まえるためのエサはうちの店の廃棄品でいいだろう ゆっくり自体はそこら辺の野原に行けばいる っとみつけた 日光がよく当たる位置でぼーっとしている 数は1匹しか見当たらないが自分で作ってみる分には1匹だけで十分だ 「ゆ?おにいさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠にあまあまを持ってきたんだ 食うか?」 「ゆっ! ゆっくりたべるよ!」 ほれっ そうやって俺は饅頭を作った時のあまりの餡子を放り投げる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪」 そりゃあうまいに決まってるだろ・・・ お前たちみたいにどこから湧いてきたかわからんような餡子じゃなくて 本物の小豆から作ってるんだからな そう思いゆっくりを計画どおり連れて帰ることにした あまあまをやったかどうか知らないが、簡単についてきたのでうるさく騒がれずにすんだ。 とりあえず・・・次は洗えばいいか 饅頭はもっとあまあまをよこせとかどうのこうの言っているけど無視をして 洗面所で軽く洗う 「ゆ? おふろなんだね! ゆっくりするよ!」 「ゆ~ゆゆ~ゆ~♪ ゆっくり~♪」 そういえば底部も洗わんとな そう思いれいむをひっくり返す 「ゆ~ゆ~ゆぎぇ!」 突然ひっくり返したせいか舌をかんだようだ 「どぼじでぞんなごとするのぉおおおぉおおお!!」 よし、次は餡子を取り出すだけだ 何かと喚いてるれいむを無視し台所まで抱えて行く 「ゆ?なんかあまあまの匂いがするよ! おにーさんかわいいれいむにもってきてね!!」 その前に味の確認をしてみないとな・・・ れいむを横に寝かせ髪など邪魔な物がない底部を切断してみる 「ゆぎゃぁぁぁあああああぁあ でいぶのあ゛んよがぁぁあ゛ああ゛ぁあ」 ん、意外とうまいじゃないか この味ならなかなか売れるんじゃないか? あの後ゆっくりから作った饅頭を売ってみたが意外とよく売れた 評判もなかなかよかったので新製品として取り入れようと思うのだが 問題はゆっくりの入手方法だ 加工所で購入するのはゆっくり饅頭の魅力である安さをなくしてしまう 自分で捕まえるのも毎日休みの時間をつぶしてまでやりたくはない 2匹捕まえて子供を産ませるのもエサ代や育つ時間で効率的とはいえない さて・・・どうしたものか そういえば昨日ゆっくりの餡をスプーンでえぐりとっていた時 たしか3分の2ほどまでとってもわずかに生きていたな・・・ もっとも「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」としか言わない壊れた玩具のようになっていたが そしてゆっくりの傷はオレンジジュースで回復する となれば・・・・ 一ヶ月後 裏庭には小屋が完成されてあった 河童の技術は本当に恐ろしいものがある。盟友でよかった。 それで小屋といっても普段想像するような粗末な小屋ではない 外からの見た目はまさにそのような物であるが中は違う まず扉を開けてすぐにボタンがあり、その足元すぐには階段1段分の段差がある そして床はタイル敷きになっていて水をいっさい逃さないようにしている 排水溝も開け閉めは可能だ そして1番の変化は壁にところどころ穴があることだ この穴が何かは後でわかるだろう ともかく今必要なのはゆっくりである 小屋の完成に合わせてゆっくりを1匹加工所から注文をしておいた 注文といっても何か特別なしつけをしたやつではないのだが どうせなら上質の餡子を持つやつがいい 自分で捕まえにいってもよかったのだが注文をした理由はそういうわけだ。 小屋の中に入り、目を覚まさせるために箱からだし声をかける 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ! ゆっくりしていってね!」 本能に従い目を覚ましたようだ 「ゆゆっ? おにーさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠におかしがあるのだが食べるか?」 「ゆ! ゆっくりしないでれいむのおかしをおいていってね!!」 適当に持ってきた失敗作をそこら辺に放り投げる 失敗作といっても砂糖が入っているし、食うだろ れいむが生ゴmいや、失敗作をむさぼっている隙を見計らって壁に移動する そう、穴ぼこだらけの壁だ この穴の中かられいむの身長にあわせ真ん中くらいのところの穴に指をいれる 先端がフック状になっており、引っ張ると人間でもよく見ないとわからないような糸がでてきた ピアノ線だ。 これを反対側の壁までひっぱりフックにひっかけると準備は完了だ。 「おにーさんこれじゃあ足りないよ! もっともってきてね!! のろまはきらいだよ!」 と、準備が終わったと同時にれいむは生ゴミを食いつくしたようだ。 そこで隠し持っていたチョコを3分の1ほど割って放り投げてやる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪ おにーさんこのあまあまがもっとほしいよ!」 そこで残りのチョコを見せてみる 「ゆっ! ゆっくりしないでれいむにわたしてね!!」 無視する。 「ゆっくりしないでね! れいむおこるよ!!」 と言って空気を頬に入れプクーっと膨れあがる。 そこでまた無視する。 「もうかんべんできないよ!! ゆっくりもらうよ!」 と、言ってジャンプをして奪いとろうとする それを待っていた。 「ゆっ! ゆっ!」と言いながら奪おうとするれいむをかわし ピアノ線をのりこえてれいむとチョコの中間にピアノ線がくるようにする。 「よし、これを食べれたられいむお前の勝ちだ」 そう言いチョコの位置も今までの人間の手の高さと違いれいむの正面に移動させておく。 「ゆゆっ! こんな高さにするなんてやっぱりにんげんさんはばかなんだね! ゆっくりたべられていってね!」 と言い最後の力をふりしぼり奪い取ろうとする。 がチョコに触れる前にれいむの体に触れたのはピアノ線であった。 「ゆぎゃぁぁあ゛あ゛ぁぁああ でいぶのおめめがぁあ゛あ゛ああ」 どうやら真ん中より少し高くちょうど眼球に位置するところに線はあったらしい それにしても何故まっぷたつにならないんだ・・・?と思いよく見てみるとわかった。 餡子の粘着性のおかげで両断されたのがくっついているだけであったのだ。 ようするに上にのっかっているだけなのだ。 少々遅れて理解し、まっぷたつになったのを手でつかみしっかりと2つに分けて床に置いておく。 そして小屋の外にあるボタンを押す これは維持費に少々金がかかるのだがゆっくりの再生に不可欠なオレンジジュースを 段差の半分ほど満たしておける装置なのだ。 こうして次の日様子を見に小屋にいった。 「「ゆっくりしていってね!!」」 うん、やはり2匹に増えている というか何で一晩ジュースにつかしておいただけで失われた臓器まで再生してるんだよ・・・ 物理的におかしいだろ・・・常識的に とりあえず1匹は捕まえておく すると当然ながらもう1匹の方も反応した 「ゆっ! れいむをはなしてあげてね!! ゆっくりしてないよ!!」 そりゃあ口を押さえているんだからゆっくりおしゃべり(笑)もできないだろ するとれいむの堪忍袋に触れたのかどうか知らないがポインポイン音をたて 足もとにむかって攻撃をしてきた。 「ゆっ! ゆっ! ゆっくりしねぇぇえええ!!」 …こんな饅頭の攻撃に痛みは感じないのだがオレンジジュースがズボンについて正直うっとうしい わざわざ相手にするのも煩わしいのでピアノ線でまた両断させてやることにした れいむの攻撃のタイミングを読み取りうまくピアノ線のところに誘導する 自分が切らないようにうまく足をむこうにどけて…と 「ゆぎぇぇええぇえ!! でいぶのめがぁあ゛ああぁあ どぼじでごうなるのぉぉおおお」 絶叫と共に 双眸は再び裂けた。 そんなわけで本格的に製品化をすることにしたのだが、正直これが売れて売れてたまらない きっとこれは他店に比べると高級店の位置に分類されるうちの店が他の店と同じような値段の新製品を出したことによる ブランド効果もさることながら、事実饅頭の皮と餡子の3分の1は普段使っているようなものと差し障りのない物を使用しているからだろう このことによって他の店と比べ利益率は劣るながらも味の低下は他店よりおさえられることになった これだけやれば例の値段ババアにも喜んでもらえるだろ・・・ 季節が変わりはじめ人々が長い休みを取ることができるような時期になってからそれは起こった。 トゥルルル トゥルルル 「はい? え、もうそんな時期ですか? わかりました… すぐ準備をします」 うちの店では代々店を継いだものは初めのうち数年間は1年間のある時期に1週間だけ 先代の者に教えを請いにいかなければならないという慣習がある これは後を継いだ者が独立したことをかさにして代々の技術を低下させないようにするためのものである そして毎年のことながらこの時期がきたのだ。 そんなわけで例年通りの閉店の準備をする。 一時閉店の張り紙よし バイト君の休暇宣告よし あと食材は・・・適当な菓子にでもしてバイト君へのお土産に持たせればよし 現金は・・・銀行にでも預けておいて あとは店の電気を消すだけで準備は完了。 そして週が変わり・・・ 「ふぅ…」 この日はやっと1週間に亘る技術の確認が終わり店へ戻ることができた日だ といってもまるまる1日休めるわけではなく次の日から再開ができるように準備をしなければならない 張り紙は・・・この日から再開することをかいてあるから問題なし バイト君たちには通達しているはずだが確認のために連絡をしなければならない 食材は・・・全部使い果たしたから改めて今日買わなければならない 現金は預けてあったのを材料費と小銭のためにおろさなければいけない 店の電気は・・・ん? 何で離れ小屋の電気が・・・? 「・・・ぁ・・・い・・・」 小屋に近づいてみると何やら声がする そういえばこの小屋はゆっくりを増殖させるための小屋であったのを忘れていた もしかして店の味の秘密を探るための侵入者であるかもしれない 物音をたてずに扉の前に立ち勢いよく開いてみる この光景はまさに圧巻であった 半身のないゆっくりが幾重にも重なり合い部屋を埋め尽くしている だがそれだけならばまだよかった 部屋の底がゆっくりの再生を促すオレンジジュースの絨毯になっており 再生したと同時に餡子がうごめきあいその衝撃で部屋中にひいたピアノ線で身を裂かれているのだ 「ゆぎぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!」 「いだぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「でいぶのおべべがぁあああああああああああああああ!!!!」 「ごべんなざぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「あやばりまずがらぼうやべでぇええええええええ!!!!!!」 「い、いとさんでいぶのどごろにごなぃでねぇえええ!!」 「ゆ゛っゆ゛っ… ぼっど…ゆっぐりじだがった…」 ゆっくりは餡子が結合していれば痛みは共有する このゆっくり達の叫びは無駄だとわかっていても誰かに変わってもらいたいという嘆き そしてこのゆっくりと目があった瞬間触手のようなものが伸びてきて・・・ 目を覚ますと私は店の仮眠室で横になっていた バイトの話によると私は離れ小屋の前で倒れていたようだ 小屋について聞いてみたがバイトが来た時点では扉は閉まっていたようだ あれから一年 あの日私は離れ小屋のボタンを消して以来扉には近づいていない。
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チルノフじゃないゆっくりチルノが家に現れた。 ゆっくりチルノの周りにはプラモデルだったものの残骸が散らばっていた。 「あたいってばさいきょーね!!」 唯一生き残っていた1/100サイズのガンダムも体当たりで壊された。 「ちょ、てめぇ!」 結構高かったうえに組み立てに苦労したのだ。ゆっくり如きに壊されてムカッとした。 ゆっくりチルノをむんずと捕まえる。ひんやり冷たい。 「はなしてよ! あたいさいきょうだもん!ひどい目みるよ!!」 あー、うるさい。無視してがぶり付いた。 「いたい! さいきょーなのにいたいよー!!!」 「まずい・・・ほとんど皮じゃねーか」 ゆっくりチルノは体の中央におまけ程度に具が入っていた。他は皮だ。やはり馬鹿だと中身が少ないのか? ちなみに具は桜餅だった。頭が春だからか。 これは食べてもおいしくない。なので今度捕まえた時はアイス枕にしてやろうと思う。
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レミリアは夢を見ていた。 周りのものが大きく見え、自らに手足がない。その夢ではレミリアはゆっくりゃであった。 なぜ夢なのかわかったかというと、自らの意思で話したり動いたりすることができないため。 レミリアはゆっくりゃの視界から景色を見ていた。 夢の内容は、レミリアがフランの一撃を受けた後から始まる。あの後、レミリアは力なく倒れた。 それに対してフランとゆっくり達が駆け寄る。皆泣き喚いて、冷静さを失っていた。そんな中、遅れて近づいてくる影があった。 幽香だ。 幽香が一歩、また一歩と近づいてくる。 周りを見渡すと、向日葵畑が荒らされていた。先ほどのフランの一撃のせいであろう。完全に怒らせてしまったのかもしれない。 フランは完全に血の気が引いて、かちかちと奥歯を鳴らしていた。向こうはまだやる気なのか。 ゆっくりゃの隣でゆフランが怯えている。フランは皆を守ろうと身構えた。けれども、もう戦う体力と気力が残っていないのは明白だった。 それでも姉とゆっくり達を置いて逃げることはしなかった。だが、今襲われたらあっという間に皆殺しであろう。 こっちは満身創痍。幽香はほぼ無傷。最悪の状況だ。 しかし幽香はそのまま通り過ぎてしまった。そして背中を向けたままフラン達に話しかける。 「別にそんなに怯えなくても大丈夫よ。喧嘩を売ったこっちに非があるんだから、畑の事は気にしなくてもいいわ。 それに、弱いものいじめなんてとっくの昔に飽きたもの。」 フランは内心納得しなかった。あんなに好戦的な幽香がなぜこのような心変わりを。 「どういう風の吹き回し?あんたがあっさり引き下がるとはおもえないんだけど。」 「別にあせることはないかなって思ってね。またいつか別の日に続きをしましょう。」 レミリアたちが知る由もないが、幽香がフラン達を見逃す理由、それは幽香はフランの本当の全力を目の当たりにして、 今仕留めるには惜しいと判断したためだった。 フランはまだまだ強くなる。今はまだ精神面で幼いため、すぐに感情的になる。 その場合能力は本来の力を発揮するが、それでは強大な力を完全にコントロールできない。 「そう、あなたがその力を完全に使いこなせるようになったときに決着を。幻想郷の外の誰も邪魔が入らないところで、 どちらかが動かなくなるまで。」 フランはまだまだ小さな芽である。けれども、いつかフランの心が能力にも負けないくらい強くなり 自らの意思で操れるようになったとき、そのときの美しい花を刈り取るときのような心地よさを楽しみにしている。 ゆくっりゃ達は上目遣いに幽香の事を見て、レミリアとフランに止めを刺さないことに感謝をするかのように声をかけた。 「ゆっくりしててね!」「ゆっくり!」 その言葉に反応してか、幽香は背中越しに微笑んだ。それは誰にも見られることはなかったが、これまでで最も美しく凄惨な微笑であった。 「ええ、ゆっくり待つことにするわ。何年、何十年、何百年、何千年でも。」 そうして幽香は去っていった。お姉さんとお友達を大事にするのよと言い残して。 フランはその能力ゆえに物を壊したことはいくらでもあるが、直したことは殆どない。 ましてや吸血鬼でなければ即死するであろう重傷を負った者に対して、どうすればいいのかわからない様子であった。 「ゆっくり~!!!」 ゆフランがいきなり飛び出して、遠くへと飛んでいく。ゆっくりの名に反して、その速度はこれまで見た中で最も速かった。 フランがさらに動揺する。そんなフランにゆっくりゃが声をかけた。 「ゆっくりまってて!!だいじょうぶ!おねぇちゃんだいじょうぶ!!」 ゆっくりゃがフランを落ち着かせようと芸をした。レミリアを怒らせたあの『いないいない、うー』だ。芸の幅が本当に狭い。 けれども、自らがゆっくりゃとなっていたので表情こそわからなかったが、その声は必死だった。その必死さが伝わったのか、 フランは少し落ち着いた。フランはレミリアの体をぎゅっと抱きしめて待っていた。 少しして、ゆフランが小悪魔を連れてきた。このために飛んでいったのであろう。小悪魔は大急ぎで咲夜を屋敷に運んで、 休むまもなく飛んできたのでふらふらであった。小悪魔はレミリアの体のひどい有様とそれを抱きしめるフランたちの姿を見て、 何が起こったのか把握できない様子であった。それでも小悪魔は気をしっかり持つように深呼吸をすると、震えを帯びた声で言った。 「急いで屋敷に戻りましょう!パチュリー様の治療を一刻も早く受けさせないと!」 以外にも気丈なところがある娘だった。小悪魔は傷ついたレミリアの体を抱えると、紅魔館に向かって飛んでいった。 その後レミリアの体はパチュリーの治癒呪文を受け続けることになった。パチュリーはレミリアの惨状を見てうめき声をもらしたが、 すぐに治療を開始した。この魔女はいつも引きこもっているくせにこういったときには本当に行動力がある。 治療は日が昇っても続いた。美鈴とメイド達がパチュリーの指示によって右へ左へと動き回り、 薬品を持ってきたり儀式の用意をしていた。 ゆっくり達でさえもゆっくりすることなく急いで動き回っていた 「パチュリー、本当にありがとう・・・・」 フランは何度も何度もパチュリーにお礼を言っていた。 「たすけてくれてありがとう!」「ゆ!」 ゆっくりゃとゆフランが続く。 結局、峠を越したのは日が落ちてからであった。パチュリーは体力がないのにずっと働き通しだったので、 ただでさえ青白い顔が余計に白くなっていた。この子がこれぼど必死だったのはめったに見たことがなかった。 そんなパチュリーが言うには、吸血鬼の回復力とパチュリーの魔力を合わせても、 あと少し小悪魔が私の体を連れてくるのが遅れたら間に合わなかったそうだ。そう考えると、 あのときゆフランが小悪魔を連れてくるのが遅れていたら、確実に死んでいたであろう。 それからはフランとゆっくりゃ達はレミリアのそばから離れようとはしなかった。 そんな一人と一匹に対してかわりがわり美鈴、パチュリー、小悪魔、そして怪我から復帰した咲夜が看病を手伝っていた。 レミリアは彼女らをこんな主人にはもったいないと思い、申し訳なさとありがたさに涙が出そうだった。 けれどもそのはゆっくりゃのものだったので涙を流すことはなかった。 1日、2日と時間が経っていく。このとき、レミリアはある異常に気がついた。この体の持ち主の動きが段々ゆっくりしている。 飛ぶことが殆どなくなり、レミリアが寝ているベッドではいずるようになった。 今までずっと屋敷の中を飛び回っていたのに、そのようなことがなくなった。 そしてそれは日が増すごとに顕著になっていった。5日経ったとき、二匹は殆ど動くことはなくなった。 ただじっとレミリアの体の隣でゆっくりしている。 ふと、ゆっくりゃがフランに対してこんな質問をした、いつの間にこんなに語彙が増えたのだろう。 「ふらん、ふらんはおねぇちゃんのことすき?」 フランは満面の笑みを浮かべ、かつて穴が開いていた私の胸をさすりながら一言で答えた。 「えぇ、大好きよ」 レミリアは胸が熱くなった。 「よかった~♪」「う!」 ゆっくりゃとゆフランもうれしそうに反応した。 レミリアはこの子達にあんなにひどいことをしたのに、なんでこんなに喜んでもらえるのだろう。 ふと、この子達が自分とフランの分身であったことを思い出す。 そうだ。この子達も姉妹なんだ。姉と妹が喧嘩しているのを見ていてうれしいはずがない。 結局、レミリアがフランに対して距離を置いていることがゆっくりゃ達にはわかりきっていたということか。 そして目の前のレミリアのまぶたが上がっていくのが見えた。フランが慌てて咲夜に声をかける。 「お姉様が目を覚ますわ。みんなをよんできて!」 そこでレミリアは再び意識を失った。 レミリアが目を覚ましたとき、見慣れた天井が目に映った。 ここは自分の部屋のベッドだった。 体のほうに目を向けるとフランの顔が見えた。今にも泣きそうな笑顔という、矛盾した表情をしていた。 「お姉様。起きたのね!」 「ゆっくり~!」「うぅ~!」 視界を端に向けると、ゆっくりゃとゆフランのほほがあたっていた。なんだかやわらかくて湿っぽい。 部屋を見回すと、皆が集まっていた。ほっとした顔、泣きそうな顔、笑っていた顔、それぞれ違う表情を浮かべていた。 このまま目を覚ますことがないことも考えられたのだろう。 まず、レミリアはやるべきことがわかっていた。レミリアはゆっくりゃとゆフランを抱きしめて、 部屋中に存在する者すべてに向けて言った。 「みんな、本当に迷惑をかけてごめんなさい。あなた達にも八つあたりなんかして、本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」 しかし口からは陳腐な謝罪しか出ない。こんなに迷惑をかけたのだ。いくら謝ってもすまないであろう。 いつの間にかレミリアの目には涙が浮かんできた。 フランを地下に閉じ込めたこと、ゆっくりゃ達に八つ当たりしたこと、フランに手をあげたこと全てが頭の中でぐるぐる回っている。 「お姉様、悪いのは私だよ。だからそんなに謝らないで・・・」 フランはレミリアを抱きしめてそういった。その腕は細く、震えていた。 姉を貫いたときの感触がまだ残っているのかもしれない。 「お嬢様、私も・・・」「あのときは手を上げてすいません・・・」 美鈴も咲夜も駆け寄ってくる。いくら皆のことを思ってとはいえ、主に意見を出したり、手をあげたのだ。 「かってにでていってごめんなさい!」「ゆぅぅぅぅ・・・」 ゆっくりゃたちまで謝ってくる。 けれども悪いのは自分だったとレミリアが返しを入れるので、事態に収集がつかなくなった。 「あ~、まったくいつまでもうじうじと・・・。」 パチュリーが外から業を煮やしていた。。 「ゆぅ!」「う~!」 そのときゆっくりゃとゆフランいいことを思いついたという顔をして、 ベッドから空中へと飛ぶと、皆をレミリアのベッドの回りに集めて、互いのほほをくっつけるように押し付けた。 それはゆっくりゃとゆフランがかつてフランに仲直りを促されたときに行った行為だった。 「こら、なにすんの」「えへへ、くすぐったい」「何か恥ずかしいですね」「うぅ」「ちょっ何で私まで・・・・むきゅ」 「パチュリー様のほっぺた柔らかいです・・・」 「なかなおり♪なかなおり♪」「ゆっゆ~♪」 混乱するみんなの姿をよそに、二匹はとても楽しそうであった。 なんでだろう。勝手にフランを避けて、ゆっくり達に嫉妬して、皆に迷惑をかけたことが馬鹿らしくなった。 数百年のわだかまりを気にするのはもうやめるべきなのかもしれない。 思い出すのはフランを地下に閉じ込めていた時の遠い距離と冷たい罪悪感、 今感じるのは隣で笑っているフランのほほの柔らかさと温かさ。 過去は決して消えない。だからこそ、今のこの瞬間も忘れない限り、いつまでもゆっくり残る。 ゆっくり達は生きることを楽しんでいる。作られた命でありながら レミリアは自らに似ても似つかない、けれども最も欲しいものを教えてもらった分身達に向かって感謝した。 「ゆっくりゃ、ゆフラン、ありがとう。」 「「ゆっくり~♪」」 しかしこれが結局生きたゆっくり達が飛ぶのを見る最後のときとなった。 そして次の日 日がまだ昇っている時間のことであった。 「いないいない、うわぁぁぁぁぁ♪」「うわぁぁぁぁ♪」 「あはは、かわいくなーい」 レミリアとフラン、ゆっくりゃとゆフランは皆で一緒に同じベッドに寝そべっていた。 周りには紅魔館の住人が全て集まっている。レミリアが今までずっと寝ていてつまらなかったのでパーティをしようと言い出した。 吸血鬼のパーティは普通夜に行うが、この日は朝からずっと通しだった。 レミリアはゆっくり達とこうして遊ぶのは初めてだった。 「あんた達には迫力がないわ。こうするのよ。いないいない、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「こあい、こあい!」「ゆう゛ぇ゛ぇ゛ぇ」 ゆフランが泣き出してしまった。実は怖がりなのかもしれない。 そんなゆフランをフランが慰めた。抱きつかれたまま離れようとはしない。 そんな二人と二匹を咲夜をはじめとした住人達は見守っていた。彼女らの目には目の前のじゃれあう子供達が、 種族が違えどもまるで姉妹のように見えていた。 悪魔の住処紅魔館。この日ばかりはその名も似合わなかった。 そして愛するものと共にゆっくり過ごす時間の安らかさに、レミリアは今までの人生になかった心地よさを感じることになった。 時間が経つにつれて、ゆっくり達は段々動かなくなってきた。言葉に反応するのも遅れている。 日が暮れたころ、目を瞑ったまま動かなくなった。 「ゆっくりゃ、ゆフランどうしたの?」 フランがゆっくり達に声をかける。 しかしまったく反応がない。いつもは呼ばれなくても来るのに。 いつしかパーティ会場はしんと静かになった。皆これがどういうことか気がついたのだろう。 そしてこのパーティの本当の意味を。 口を開いたのはパチュリーだった。 パチュリーはこの生物のベースとなる技術を持っていたため、何か思うことがあったのか 「元々この子達は餡子によって食用に作られた生き物。すぐに食べられる運命のために、その寿命は儚い物だったのでしょうね。 いつかはこうなるとわかっていても、やっぱり愛着がわくと辛いわね。」 そういうと力なくうなだれた。隣では小悪魔がパチュリーにしがみついて泣いていた。 美鈴は大声を上げて人目をはばからず泣いていた。彼女は門番であり、ずっと一人で行う仕事であった。 そんな折に遊びに来てくれた友達が愛おしくて仕方がなかったのであろう。 咲夜は泣いてはいなかった。けれどもまぶたが何時間も泣いた後のように真っ赤に腫れていた。 先ほどまでこのようなことはなかったはずなのに。 周囲を見ると、下っ端のメイド達まで嗚咽を漏らしていた。あの二匹は本当に人懐っこかったのであろう。 ゆっくり達は餡子とひき肉でできた人形。正確には生き物にすら分類されない。 パチュリーが作った人形のように泥でできたのならともかく、餡子ではいつか腐って崩れてしまう。 いくら食べ物を与えても、変えようのない結末だった。そして人形であるがゆえに生まれ変わることができない。 だからこそ、最後にこうして共にゆっくりするのが望みとなった。 フランは二匹を抱き寄せた。もう二度と会えないということが信じられないようであった。 目に光が灯っていない。この子にはその悲しみに耐えられなかったのだろうか。 そのとき、 「こいつらがただの人形だったらあたいも仕事がなくなって楽なんだけどねぇ。」 ドアの近くを見ると何者かが立っていた。見上げるほどの長身、手に持つは大きな鎌。三途の川の案内人。死神の小野塚小町であった。 「どういうこと、それに仕事ってなによ」 「そのままの意味さ。死神の仕事は死者の案内。こいつらはもう人形じゃなくて妖怪なんだよ。ちょいと違うが、 わかりやすくいうと九十九神みたいなものかな。ずいぶん可愛がったみたいじゃないか。ほら、あたいの後ろにいるこいつらもそうさ」 そういうと、小町の後ろから様々なゆっくり達の霊が出てきた。ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりありす、 その他たくさんの種類のゆっくりがいた。幻想郷の誰かがフランと同じようにかわいがっていたのだろう。物好きがいたものだ。 小町は二匹の遺体を抱えた。連れて行くつもりなのだろう。 「やだぁぁぁっ、連れて行かないでぇっっ。もっと一緒にいるのっ。私と遊ぶのっ。ご飯を食べるのっっっ。」 フランが泣きながら必死で止めようとしたがレミリアはそれを抑えた。 「行かせてあげなさい。フラン。あの子達の顔を見なさい。とても安らかな顔をしているじゃない あなたと、紅魔館のみんなのおかげよ。だから、わかって・・・」 フランは何度か嗚咽を漏らし、手のひらをぎゅっと握り締めて耐えていた。 「吸血鬼の涙なんて珍しいものを見たな。ここからはちょっとしたサービスでもするか。四季様には内緒だよ」 小町が二匹をぽんと叩くと、するりと二匹の体から何かが出てきた。あれはゆっくりゃ達の霊だった。 「さぁ、お別れを済ませてきな」 ゆっくりゃは相変わらずうーうーと鳴きながら館の住人全てに笑顔を向けるとレミリアとフランに向かって飛んでいった。 その元となった吸血鬼とは似ても似つかないが愛嬌のある顔は決して忘れないだろう。 ゆフランは姉の後を追うようにして浮かんでいった。皆に見送られていると見ると、とてもくすぐったそうな顔をしていた。 今まで愛情を注いでくれた皆に感謝をしているようであった。彼女は元となった吸血鬼に似て、姉をとても好いていたのだろう。 二匹は紅魔館の住人達ひとりひとりに挨拶をしていく。ゆっくりと時間をかけて 最後にレミリアとフランの前に飛んできた。 「ゆ!」「う゛!」 それはどこかふてぶてしくも憎めない顔であった。 フランは涙を拭い去り、二匹に向かって目を向け、最後の挨拶をした。 「うん。わかった・・・。今までありがとうね。ゆっくりゃ、ゆフラン。あなた達のこと大好きだったよ。」 ゆっくりゃ達は微笑んだ。その顔がこれまで過ごした時間がどのようなものなのか語っていた。 レミリアは何を言うべきか悩んだ。いくら言葉を尽くしても伝えられないほどの恩がこの子達にはある。そうだ、 だったら一言に百の意味をこめよう。ゆっくり達にとって最もなじみのあるあの言葉で 「ありがとう。向こうでも、ゆっくりしていってね・・・」 二匹はだいじょうぶだよとでもいうように返事をした。 「じゃあこいつらは連れて行くよ。これほどいろんな人に愛されているなら三途の川は渡れるだろうから安心していいさ。」 「うー♪」「う~♪」 そうして二匹は死神に連れられ、死後の世界に旅立つことになった。 ゆっくり、ゆっくりと・・・ その場にいる皆がそれぞれの思い出を胸にゆっくり達の百鬼夜行を見送った。 約1ヶ月という、人外には刹那のような時であったが、誰もの心にゆっくり残るだろうと思われた。 レミリアは思った。あっという間の命だった。けれども決して忘れはしない。 今からでも遅くはない。あの子たちがそうだったように。 フランと共に、これからゆっくり幸せに生きていく。 そう誓った。 その後ゆっくり達がいなくなり、しばらくしてからの紅魔館では、ほとんど以前と同じ姿になっていた。 門番は一人で門を守っていた。一緒に遊んで夜を過ごす友はもういない。 魔女は図書館に引きこもっていた。影でこっそりかわいがる居候はもういない。 小悪魔はそんな魔女の世話をしていた。魔女のいつもと違う一面を見せてくれた客はもういない。 メイド長はメイド達を従えて館を切り盛りしていた。プリンを作ってあげた主の分身はもういない。 しかしひとつささやかな変化があった。それは吸血鬼姉妹であった。姉は甲斐甲斐しく妹の世話をしていた。 ふたりがじゃれあう姿を見て、紅魔館の住人達はあの騒がしくも無邪気であった二匹の饅頭を思い出す。 主とは決して似つかないが、どこか面影のあるあの饅頭を。 妹はこれから様々なことに向かっていくことになる。 力の制御 向日葵妖怪との決着、 外の世界に適応すること 姉はそんな妹にいろいろなことを教えていく。 これまで置いていた距離を縮めるように。 いつか妹が一人前になって生きていけるように そのためにこうやって一緒にいる あせることはない。時間はたっぷりある。ゆっくり頑張っていこう。 蛇足 小町がゆっくりゃ達を連れて三途の川に着いたとき、ゆっくりの霊が大量に居座っていた。 裁判所の中に駆け込むと 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」」」 「よいぞっ!」 上司であるザナドゥが壊れていた。ここのところ彼女は事務仕事のあまりの忙しさにゆっくりできていなかった。 そこで現れたマイペースの塊、ゆっくり。 そのため、ザナドゥはゆっくりにあこがれるあまり、ゆっくりになりきってしまったらしい。 小町は思わず遠くを見てしまった。 「ゆっくりした結果がこれか。転職先でも探すかな・・・」 いい話でした -- 名無しさん (2008-09-01 12 41 56) 泣いちゃいました… -- 名無しさん (2008-09-10 13 30 32) ゆっくりは姉妹の懸け橋となった・・・このゆっくりには勲章を挙げたい気分だ・・・。 -- 通りすがりのゆっくり好き (2008-09-14 21 52 30) 全俺が泣いた・・・ -- 名無しさん (2008-09-15 17 27 06) イイハナシダナー。もうゆっくりを虐めることなんてできねぇ・・・ -- 名無しさん (2008-09-15 19 52 55) (´;ω;`)ブワワッ!! -- 名無しさん (2008-12-09 01 01 32) 涙が…とまらない…と思ったらえーき様www -- 名無しさん (2008-12-23 07 38 15) 最後のシーンで泣きながら笑った。 -- 名無しさん (2008-12-27 10 34 16) 最後がwwwww俺涙目wwwww -- 名無しさん (2009-02-17 19 20 01) ゆっくりゃとゆフラン大好きだから余計涙腺が… -- 名無しさん (2009-02-18 01 49 55) あれおかしいな、目から汗が・・・ イイハナシダナー -- 名無しさん (2009-03-10 00 23 23) (´;ω;) -- 名無しさん (2009-08-17 04 07 18) お嬢様をひっぱたいた時の咲夜さん辛かったろうな~ -- 闇 (2010-02-18 13 47 36) 泣け・・・ないぜっ・・・泣ける -- 名無しさん (2010-02-18 21 31 41) いい話すぎる(´Д⊂グスン -- 名無しさん (2010-06-11 23 07 18) 切なくも温かいゆっくり出来る話でした。ありがとう。 -- 名無しさん (2010-11-28 11 58 52) イイハナシダッタノニナー -- ザナドゥェ (2010-12-04 02 41 26) やばいマジで泣いてしまった・・・ -- ゆっくり愛護団体団員 (2011-03-20 03 46 11) 俺…ゆっくりいぢめをやめるよ… -- 名無しさん (2011-04-15 16 44 16) 泣けるうううううううううううううううううぅ -- ちぇん飼いたい (2012-03-01 17 01 29) 名前 コメント
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みなさんはゆっくりがおそれるゆっくりをどこまで知っているだろうか ゆっくりれみりゃ?メジャーですね ゆっくりふらん?それもメジャーですね れてぃ?ゆゆこ?それも比較的有名ですね ですが、ゆっくりがれみりゃ以上におそれるゆっくりがいます。 そいつの名は・・・・ 恐るべきゆっくり 「ゆ~~、ゆ~、ゆ~~~~~~!!!」 「「「ゆ~~、ゆ~、ゆ~~~~~!!!」」」 れいむ親子の音痴な歌がれいむ親子のお家に響き渡る。 ここはドスが治めるゆっくりの群れである。れいむ親子はドスの群れに所属するどこにでもいる ゆっくり家族であった。 夫のまりさは今は狩りにいっており、妻のれいむは子供たちとゆっくりできるお歌 の練習をしている。 「ゆっゆっゆ~~~~~~」 「「「ゆっゆっゆ~~~~~~」」」 雑音がようやくフィナーレを終え、れいむは子供たちを褒め称えた 「ゆ~~ん、さすがれいむとまりさのおちびちゃんだよ!! とてもゆっくりできるおうたさんだったよ!!」 「ゆん!!とうぜんだよ!!れいむはぷろのあーてぃすとなんだよ!!」 「れいみゅおねえちゃん、とてもおうちゃがうまっきゃったよ!! れいむのあきょがれだよ!!」 「さすがまりさのいもうとだよ!!」 家族はにぎやかにとてもゆっくりできたよと誉めたたえあった。 特に長女れいむはゆっくりからしたらとても歌がうまく、皆の歌姫であった。 群れのゆっくりからは将来の歌姫だよ!!と期待を寄せられていた。 「ゆっくりただいまだよ!!」 家族がわいわくと談話していると一家の大黒柱である親まりさが帰ってきた。 口は大きく膨らんでいる。どうやら今日は大漁だったようだ。 「「「ゆわ~い、おとうさんおかえりなさい!!!」」」 子ゆっくり達は父親の姿を見るや否や親まりさへと駆けて行った。 親れいむも夫であるまりさに微笑みで返した。 「おかえりなさいまりさ!!かりはじょうじょう?」 「もちろんだよ!!まりさはもりいちばんのかりうどさんなんだよ!!」 そうまりさが返答すると、口を大きく開け今日の狩りの成果を広げた。 出てきたのは食べられる山菜やキノコなどなどゆっくりから見れば御馳走の山だった。 「「「ゆわ~~い、ごちそうがいっぱいだよ!!」」」 大はしゃぎする子ゆっくり達。三匹とも美味しそうな御馳走に我先と駆けだしたが 親れいむが子供達を止めた。 「だめだよおちびちゃんたち!!ちゃんとわけてからね!!」 そういうと親れいむは均等になるように御馳走の山を分けて行った。子ゆっくり達も納得し、 率先して母の手伝いを始めた。実に微笑ましい光景であった。 そうこうしているうちに配分が終わり、一家はきれいに整列した。 「それじゃあおちびちゃんたち!!きょうもがんばってかりをしてきてくれたおとうさんに ゆっくりおれいをしてからいただきますをしようね!!」 「「「ゆ!!ゆっくりわかったよ!!」」」 子ゆっくり達は親まりさの方を向いた。 「「「おとうさん!!きょうもおいしいごはんをありがとう!! ゆっくりいただきます!!!」」」 「「ゆっくりいただきます。」」 親ゆっくりのいただきますを皮切りに御馳走の時間が始まった。 美味しそうな木の実にキノコ、山菜、どれもゆっくりにとっては御馳走であった。 ただ一つ、長女れいむのごはんに白い木の実があった。 「ゆ?」 長女れいむは今まで見た事もない白くて大きな木の実に気が付き父に聞いた 「おとうさん!!このしろいしろいさんはなぁ~に?」 「ゆ?それはね、おとうさんがにんげんさんからもらったごはんだよ!! むかしにね、それとおなじようなごはんがあったんだけどねもうどくがあったんだよ!! でもね、このしろいしろいさんはおとうさんがどくみをしたからだいじょうぶだよ!!」 長女れいむはそれを聞いて安心し、おそるおそる口に含んだ 「む~しゃ、む~しゃ・・・・・し、しあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! ヘブンじょうたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 長女れいむはあまりのおいしさに飛び跳ねながら叫んでいた。 「おちびちゃん!!おしょくじちゅうにおぎょうぎわるいことしちゃだめでしょ!!」 親れいむは長女をたしなめようとしたが、聞く耳持たずだった。 あまりに革命的なまでにおいしかったのだろう。 「ゆぅ~~、おねえちゃんだけじゅるい!!れいみゅもたべちゃいぃぃぃ!!」 妹れいむが駄々をこね始めた。だが、あの白い木の実はすでに長女が平らげてしまっていた。 親れいむはどうにかしてなだめようとしたが、耳に入る様子もなかった。 「しょうがないね!!あしたおとうさんがにんげんさんからまたもらってくるから がまんしてね!!」 親まりさがそういうと妹れいむはピタっと泣きやみ大喜びで跳ね始めた。 「ゆぅ~~、まりさも!!まりさも!!」 長女まりさも欲しがっていたようだ 「しょうがないね!!みんなの分をもらってくるよ!!」 「「「ゆわ~~い!!おとうさんだいすき!!」」」 子ゆっくり達は皆大喜びであった。 かくして一波乱食事は終わり、辺りを片づけた後皆床に着くことにした。 「それじゃあ、ゆっくりおやすみ!!」 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!!」」」」 家族はそれぞれのベッドに健やかな眠りにつき始めた。 ベッドといっても枯れ葉や落ち葉を敷き詰めたものなのだが。 「ゆぴー、すぴー」 「しろいしろいさん・・・・れいむにたべられ・・・・」 「まってねぇ~~・・・・」 子ゆっくり達は皆幸せそうに寝ていた。 一方そのころ、とある暗い所で新しい命が誕生した。 「・・・・・・・」 ソレは辺りを見回し始めた。黒くて生暖かいものが辺りに敷き詰められていた。 否、自分が埋まっていたのだ。 ソレは本能的に分かっていた。ご飯だ。 ソレは生まれたばかりの小さな口を小さくあけ、少しずつ食べ始めた。 本当にほんの少しの量を何度も回数を分けながら食べて行く。 少しずつ食べて行くと腹はさすがに満たされ、ソレは生まれた所から少しずつ移動を始めた。 「・・・・・・・」 目の前にあるご飯をかき分けながら進むと自分と同じ生き物がいた。 ソレは本能的に分かった。あれは自分の姉妹だ。 ソレは少しづつ姉妹に近づいて行った。姉妹の方も気づいたらしく、自分の方へと寄ってきた。 少しずつ、少しずつ。 そしてお互いが頬ずりが出来る位近くにたどり着いた。 ソレと姉妹はさっそく信頼の頬ずりを始めた。 あまり空間がないのにも関わらず、姉妹は器用に頬ずりをしていく。 そして本能が呼びかける。子孫を残せと 姉妹の方も本能の呼びかけに答えたらしく、ゆっくりと後ろを向いた。 どうやら「受け」をやってくれるようだ ソレは姉妹と交尾を始めた… 1時間後、姉妹の腹は非常に大きく膨らんでいた。 ソレは交尾の成功に満足したのか少し眠りについた。 さらに数時間後、ソレは目が覚めると姉妹のお腹はさらに膨れ上がっていた もうそろそろ頃間であると本能が語り始めた。 ソレは姉妹にそろそろだという事を伝えると姉妹は適当な空間に生殖器を向けた。 姉妹は体に力を入れ始めた。必死に力を入れているのが見て分かるぐらいに顔を歪めていた。 そして ぼん!!ぼん!!ぼん!! 姉妹は空間目掛けて何かを自分の生殖器から射出した。 それは非常に早く何か良く分からなかったが白い物体にであるように見えた。 ぼん!!ぼん!!ぼん!! 姉妹はまだ射出を止めない。腹の中にそれだけ大量の物が詰まっていたのだろう、今だに止む気配がない 結局、射出が止まったのは100個ほど飛ばしてからだった。 朝、ゆっくり一家はゆっくりと目を覚ました。 とある一匹は除いて 「ゆ~ん・・おかあさん・・ぽんぽんさんがいたいよぉ・・・」 昨日しろい木の実のような物を食べてヘブン状態になったあの長女れいむだった。 翌朝起きるとお腹が痛く、食事もほとんど取れない状態になった。 「おねえちゃん、いたいいたいさんはやくなおってね・・・」 「れいむぅ・・・」「おちびちゃん・・・」 親まりさは狩りをお休みして長女れいむの看病したり、腹痛に効くお薬を飲ませても一向に 良くならなかった。 それどころか、痛みが少しずつ増してきているようだった。 「おかあさぁぁぁぁぁん、ぽんぽんがゆっくりいたくなってきたよぉぉぉぉぉぉ!!!」 娘の状態が一向に良くならないどころかますます悪化してきたことに親達は、このままではまずい と考えぱちゅりーの診療所に長女を連れていくことにした。 長女れいむは大きな葉っぱの上に横になり、両親はその両端を咥えゆっくりと運び始めた。 姉妹の子ゆっくり達は横について長女れいむを励まし続けていた。 「おねえちゃん!!もうすぐびょういんだからね!!」 「ゆっくりだいじょうだからね!!」 だがそんな励ましの声も今の長女には届かなかったようだ。 長女の顔色はますます青白くなっていき、呼吸は少しづつ小さくなっていった。 「ゆぅ・・・・ゆぅ・・・・」 必死に痛みに耐える長女。だが、その緊張した空気は突然の悲鳴に打ち砕かれた 「ゆぴぃ!!ゆぷぅ!!」 長女の苦しみ方が変わった。今までは痛みに耐えるような様子が尋常ではない痛みに苦しむものに かわったのだ。 「ゆぷぅ!!うbひfふsぅvfvふぃおwぇjjjねいぁj」 突如として発せられる解読不能な言語。これには両親はただ事ではないと悟り 歩みが自然と速くなっていた。 「jkhbtkぶjひlすぇrbふlうぇr・・・fykhうぇjkbち・・・・ふ」 病院に近づくにつれ、長女の叫びは少しづつ小さくなっていった。 駆けること30分、一家はどうにか群れ唯一の診療所にたどり着いた。 長女はぐったりとしており、両親は心配そうに戸を叩いた 「ぱちゅりー!!おちびちゃんがたいへんなの!!たすけてあげてね!!」 2,3度叩いた辺りでぱちゅりーが出てきた 「むきゅ!!こんなあさはやくからどうしたの?」 「おちびちゃんがたいへんなの!!はやくたすけてね!!」 ぱちゅりーは群れの中でも歌姫として有名な子れいむの身になにかあった事を理解し すぐに家の中に家族を招きいれ、容態を見た 長女の体は青白くなり、呼吸は停止しており、瞳孔も開ききっていた… 「むきゅ……、もうえいえんにゆっくりしちゃっているわ…」 ぱちゅりーは少し悩んだが、素直にそう告げた。 家族はそんな馬鹿なという顔でポカンとしていた。 「ぱちゅりー…なにいってるの…ぽんぽんがいたいだけでしんじゃうなんてそんなこと ないでしょ…」 親まりさはそうか細い声で喋った。 だが、ぱちゅりーは辛い現実を続けた 「残念だけど…もうえいえんにゆっくりしちゃってるわ…さわってみなさい…もうこんなにつめたいわ…」 信じられないような顔をしながら両親は頬ずりをした。とても冷たかった。 昨日あんなにゆっくりしていたのに…たった一日で…たった一日で皆に愛されていたおちびちゃんが …おちびちゃんが!! 「おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「どぼじでごんなごどにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 両親の叫びが残りの姉妹に全てを語っていた。 「しょんな…うしょだよね!!おねえちゃんがえいえんにゆっくちちちゃうわけないよね…」 「うそだぁぁぁぁ!!ばりざのいぼうどがじぬわげないんだぜ!!」 言葉ではそうはいっているものの、目には涙が溜まっていた。 姉妹はその場で耐えきれなくなり、両親と一緒に泣きだしてしまった。 「おねえぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「でいぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 家族はわんわんと泣きだしてしまった。 両親は頬ずりしながら泣き、姉妹はその場で両親以上に泣きだしてしまった。 あんになゆっくりしていたのに…死んだなんてうそだ… あんなに群れのみんなに愛されていたのに… あんなに(ゆっくり基準で)きれいなお歌を歌っていたのに… そんな思いが錯綜する中、あり得ないことが起こった。 むくっ… 死んだはずのれいむが体を起こしたのだ。 体を器用に動かし、何事もないように起き上がったのだ。 この光景にぱちゅりーは驚き、家族は喜んだ。 「ゆ?おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!いぎがえっだんだねぇぇぇぇぇ!!」 「よがっだよぉぉぉぉ!!よがっだよぉぉぉぉ!!」 「おねえぢゃんがいぎがえっだぁぁぁぁ!!」 「ゆぅゆぅ…ゆわ~~~ん!!」 家族は大喜びでれいむにすり寄り、さっそく頬ずりしはじめた。 だが、ぱちゅりーは見逃さなかった。 そう、れいむは間違いなく死んでいた。 瞳孔は完全に開いており、すでに死臭が漂い始めていた。 つまり、れいむは死んでいるはずなのになぜか起き上がったのだ。 家族はれいむが起き上がった=生き返ったとみなして大喜びのあまりその事実を完全に 見落としていた。 ぱちゅりーはあり得ない光景に目を丸くしてその様子を見守るしかなかった。 ぱちゅりーが見守っていると、一瞬ではあるがれいむの腹がふくらんだ。 「むきゅ!?な、なに!!」 れいむの腹から何かが出ようとしているように見えた。 れいむの腹は一瞬膨らんだらすぐしぼむを繰り返し、さすがの一家もただ事でないことに 気づいた。 「ゆうぅぅぅぅ!!どうしたのおちびちゃん!!」 「またぽんぽんいたいの?いたいの!?」 「おねえちゃん、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「こわいことしないでねぇぇぇぇぇ!!」 家族は皆恐慌状態に陥った。 そして一拍おいてれいむの腹が裂け、中から何かが出てきた。 それは…… とりあえず前半はここまで あとがき ここ最近書いていなかったせいか腕が落ちた気がします。 ですので一旦ここでとめて数日後に後半を挙げます。 作者 アイアンゆっくり 過去作 まりさの馬鹿 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 ゆっくりおしえてね!! 1~2 世界で一番短い虐待 ゆっくり地縛霊 まりさ達の場合 鬼斬 1~ 怪奇現象 ゆっくり自縛霊 ありすの場合 このSSに感想を付ける
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「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 「たべちゃうだってさ」 「おおこわいこわい」 魔法の森のゆっくり達は襲い掛かるゆっくりれみりゃを見てゆっくり構えつつも即座に逃走に移った。 森を熟知しているゆっくり達はれみりゃが手を伸ばすよりはるかに前に散り散りになりれみりゃの視界から消えた。 「うー?う゛ー!う゛ー!ざぐやー!おながずいだー!」 相当おなかがすいていたのか、ごはんにありつけずゆっくりれみりゃは地べたに座り込んで泣き出した。 その汚らしい声に木に止まっている森の鳥達が眉根をひそめて囀るのをやめた。 このゆっくりれみりゃ、ある人間の女の子に飼われていたのだが大きくなった上にわがままで、親に言われて泣く泣く捨ててしまうことになったのだ。 父親が戻ってこれないようれみりゃが寝ている間に魔法の森に入って木の洞に入れておいたのである。 洞の中に朝日がさして目を開けたとき、誰も居ないことで最初はさびしくてずっと森の中で泣いていたが そこはゆっくりブレイン、すぐに飼い主のことなど忘れおいしそうな匂いのするゆっくりを見つけると本能なのかすぐにゆっくりを狩り始めた。 最初のころは油断したゆっくりを何匹か捕まえることが出来た。 しかしれみりゃが居ることがゆっくりネットワークによって広まるとすぐに警戒され、ゆっくりを発見するところまではいけるのだが 捕まえようとするとすぐに逃げられてしまい全く狩りは成功しなかった。 そんな状況が二日ほど続きれみりゃはもはやふらふらでもうザグヤザグヤと泣き喚くしかなかった。 ちなみにさくやというのは前の飼い主の女の子のことである。 その子はさくやという名前ではないのだが何故かれみりゃは飼い主の女の子のことをそう呼んでいた。 「うー!ざぐやー!うあー!うあー!だれでもいいからごはんー!ごはん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ー!!」 「ゆっくりでてきましょうか?」 そんなれみりゃの前に森の木々の間からぴょこん、とゆっくりゆかりんが飛び出してくる。 「ほらゆっくりでてきました」 「う?うー!ぎゃおーたーべちゃうぞー!」 ゆっくりゆかりんが目の前に出てくるとすぐに噛み付こうと諸手をあげて突っ込んでくるれみりゃだったが あっさりとゆっくりゆかりんによけられて顔面から地面に思い切り突っ込んだ。 「う、う゛ー!どおじでみ゛んな゛れ゛み゛り゛ゃにだべら゛れ゛でぐでだいどぉー! お゛な゛がずいだー!ざぐやー!ざぐやー!!」 案の定泣き出したれみりゃを見てゆかりんはあきれながら言った。 「ゆー…れみりゃにたりないのはゆっくり人のはなしをきくことかしら ごはんにありつくための」 「うー?ごはん?うー♪ごはんちょーだいーごはんー!」 現金なものでれみりゃはごはんと聞くとすぐにごはんをくれると勘違いして河馬の様に大きく口を開いて食べ物を貰うための体勢を整えた。 「だからゆっくりゆかりんのはなしをきいてね」 ゆっくりゆかりんは溜息をつくと嗜める様にれみりゃに言った。 「ゆかりんがごはんを集めるのをてつだってあげるよ そしたられみりゃはおなかいっぱい食べられるようになってゆっくり出来るよ そのかわりにゆかりんが冬を越すためのたべものをいっしょに集めてほしいの」 「うー♪れみりゃたべものいっぱいあつめるー!だからごはんごはんごはんー!うー!」 とにかくご飯にありつきたいれみりゃは躊躇せずにいい笑顔で即答した。 「ゆっ、れいむゆっゆっれいむぅ…!」 「ゆっ、ゆっまりさ!まりさぁ!」 「ゆゆぅっ、すっきりするぅ…!すっきりしちゃうぅ…!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 『ゆんほぉおおお!?』 粘餡を出しながら体をこすりつけ合わせている、要するに交尾真っ最中のゆっくり二匹を発見し ゆっくり近づいて茂みから飛び出したゆっくりれみりゃ。 「ゆ!すぐににげないとゆっくりできなくなるよ!」 名残惜しみながらもすぐさま体を離すゆっくり二匹。 その頬からは粘着質な糸が引いていた。 「ゆー…まりさたちにたりないのはの少女臭かしら あさましいしょうどうを抑えるための」 ゆかりんはれみりゃに抱えられながらそう言い放つと地を這うれいむとまりさに口から何かを吐いてかけた。 「ゆぐぅうう!?くさい!くさいよおおおおお!?」 「ゆ!ひどいよ!れみりゃもゆかりんもゆっくりしね!!」 納豆を頭にかけられたゆっくり二匹は捨て台詞を吐くと即座に用意していた逃走ルートを通って逃げて行った。 「うー!ま゛っでぇー!う゛ー!」 追いかけようとして思い切り転んでしまうれみりゃを尻目に二匹は後で落ち合って続きをしようと目配せをした。 「ゆー…臭いよ…れいむ…」 苦もなくれみりゃとゆかりんの魔の手から逃げ切ったまりさはゆかりんの吐いた納豆の臭さに辟易していた。 「ゆっくりけんじゃなんていってゆかりんもぜんぜんたいしたことなかったよ! あんなばかはゆっくりしねばいいのに」 ゆかりんに対して文句の一つも言わないと収まりきらない気分だった。 ああこんなゆっくり出来ない気分の時は早くれいむと落ち合って体を洗ってさっきの続きをしたい。 そのことを考えると体がぬとっとしてくるまりさであった。 「ま゛り゛さ゛にげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆ゛!?」 突如後ろから聞こえてくる声にその忠告を無視して思わずまりさは後ろを振り向いた。 「うー!ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 「れいむうううううううう!!!!」 まりさの目の前に居たのはゆかりんとれいむを両腕に抱えるれみりゃだった。 れいむの頭にリボンが外れかけて変わりに黒っぽいものが見える。 あれはなんだろうか、あの黒いものは。 「どうじでれ゛い゛む゛のあ゛んごがああああああ!!!」 「はいゆっくりでてきました」 恐怖に駆られ逃げ出そうとするまりさの前にれみりゃの上でから飛び降りたゆかりんが立ちふさがった。 「うーたーべちゃうぞー!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ま゛りざああああああああああああ!!!」 ゆかりんを避けるか、それとも弾き飛ばすかを躊躇した瞬間、まりさの頭をれみりゃの手が掴んでいた。 こうなればもうまりさに逃げる手段は無い。 「どうじでえ゛え゛え゛え゛!どうじでみづがっだの゛おおお! ちゃんとにげだの゛に゛い゛いいいいいい!!」 絶望で包み込まれたまりさが考えたことは何故自分の逃げた行方がれみりゃにわかったのかということだった。 「まりさの少女臭をゆっくり追って来たよ!」 「うー♪くちゃいくちゃい!」 「臭くないよ!少女臭だよ!」 そう、れみりゃとゆかりんはまりさ達についた納豆の臭いを追って来たのだ。 なんということだ、ゆっくり歩かずにすぐにでも川に向かって体を洗うべきだった、とまりさは嘆いた。 「うああああああああああああ!!!! じにだくな゛い!も゛っどゆっぐりじだいいいいいいいいい!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 「だべだいでええええええええええええ!!!」 「そんなにゆっくりしたいなら、いくらでもゆっくりさせてあげるわよ」 「!?」 「ほんとに!?」 生気を失っていた二匹のゆっくりの目に光が戻った。 「うー?だめ~、これはれみりゃのごはんー!」 「れみりゃもおなかいっぱいになれるはなしよ」 「う~?おなかいっぱいー!ごはんー!ごはんー!」 「ただしゆかりんの言うことを聞いたらだよ そしたらゆっくりさせてあげるよ」 片目を閉じて二匹を横目に言うゆかりん。 「聞きます!聞きますうううううううう!!!」 泣きながらまりさはゆかりんにすがりついた。 しかしれいむは警戒を解こうとはしなかった。 既に頭を齧られているので当然といえば当然だろう。 そんな二匹に対してゆかりんは言った。 「れいむかまりさの家族の居るおうちをおしえてくれたらゆっくりさせてあげるよ」 ニヤリ、とゆかりんの口元がいじわるそうに歪んだ。 「!ぜったいにおしえたりしないよ! れいむたちをたべるならゆっくりしてないでとっととたべてね!」 やはりそんなことだろうと思った、れいむは胸中でそう自分の命は諦め代わりに家族を守るために硬い決心をした。 絶対に家族を売ったりするものか、その想いはまりさも同じである。 「こ゛っち゛です゛!ごっぢに゛れ゛い゛む゛だぢのおうぢがありまずううううう!!!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 と思っているのはれいむだけだったようだ。 まりさは顔中から餡子汁を流してニヘラニヘラと卑屈な笑いを浮かべながらゆかりんとれみりゃを案内し始めた。 ゆかりんはそれをみてケラケラと笑いながらついていった。 「まりさだよ!ゆっくりあけてね!」 「ゆ、いまあけるよ!ゆっくりしていってね!」 巣の中で冬の支度をしていたお母さんれいむは娘のれいむの友達のまりさが娘と共にゆっくり帰ってきたようなのですぐに家の扉を開けた。 「お゛があ゛ざんあげぢゃだめ゛え゛え゛え゛!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!!」 「ぎゃあああああああああ!?」 扉を開けるとそこにあったのは娘とその友達の笑顔ではなく小さな、それでもゆっくりにとってはとても大きな手。 その手はお母さんゆっくりのおでこに5本の指を突き刺すとまるでみかんの皮でもはがすかの様に顔面の皮を引き剥がした。 黒い餡子にぽっかりと開いた空洞から断末魔が響き渡った。 「うー♪うま♪うま♪」 「いやー!」 「どうじでごんなごどずるのま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「はなぢでええええええええええええええ!!!!」 次々と食べられていくれいむの家族達。 「ここはゆかりんのおうちにするから汚さないでね!美しくね!」 ぼろぼろと食べこぼしながら巣の中を漁るれみりゃのおしりにゆかりんが噛み付いて抗議していた。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!お゛があ゛ざんお゛があ゛ざんお゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!」 「ゆー、騒がしくて美しくないからそのれいむももう食べていいよ」 「うー?うあー♪たーべちゃうぞー!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 ゆかりんからの許可が出て早速さっき付けた傷の辺りから餡子を吸い出すれみりゃ。 れいむは一瞬で全ての餡子を吸い出されて湿った皮だけになった。 「うー、あま♪あま♪」 まるでその皮はデスマスクのようで、その表情は恐怖と悲しみと怒りの全てが入り混じった恐ろしい表情だった。 人間を使ってもこうも見事なデスマスクはそう簡単に作れないであろう。 「これいあない♪ポイっ、するの♪ポイっ♪」 しかして残念なことに餡子を吸い出した後の皮にれみりゃは全く興味は無くその辺に放り出して その皮はゆっくり、鳥と虫の滋養となった。 「これでまりさはゆっくりできるよ!」 その惨状を後ろから見ていたまりさは全てが終わったと思い歓声を上げた。 その笑顔はとても清清しいもので、それを見て思わずゆかりんも微笑み返してこういった。 「あのまりさももう用が無いから食べていいよ」 まりさの笑顔が凍りついた。 「ど、どどどどどどどどどどどどど」 まりさはカタカタと震えだした。 交尾の時でもこの半分も震えないだろう。 清清しい笑顔は引き攣った笑いとなってまりさの顔にへばりついた。 思い切り泣きわめきたいのに涙だけが一筋こぼれても引き攣り笑いしか出来なかった。 「どっどっどどどおしてややややくそっそそくしたたたたたた」 「ゆー、たしかまりさとはこれが終わったらいくらでもゆっくりさせてあげるわよってやくそくしてたわね」 「!?そそそうだよ!わすれちゃだめだよ!ゆっくりできないところだったよ!」 ただ単に約束を忘れていただけなのだ、そう知って安心したまりさは引き攣り笑いをやめて再びあの清清しい笑顔をしようとした。 「お友達のれいむのところで、永遠にゆっくりしていってね」 「たーべちゃうぞー♪」 しかしそれよりも早く現実とれみりゃの爪がまりさを引き裂いた。 「うー♪おなかいっぱい♪うーうーうあっうあっ♪」 そんな風にゆかりんとれみりゃが協力して狩りを続けて一週間ほどが経った。 れみりゃもゆかりんの指導の下で大分野生の生活と魔法の森にも慣れて、頑張れば一人でも餌を取れるようになっていた。 特に姿が見え無いときは饅頭の臭いを辿ってゆっくりを捕まえればいいとゆかりんに教わったことでれみりゃの狩りの力は大きく成長した。 まあ野生のれみりゃ種やフラン種は本能で簡単にやってのけてしまうことではあるのだが。 「そろそろゆっくりしてないでゆかりんのごはん集めを手伝ってね!」 れみりゃも一人前になってきたのでそろそろ当初の予定通り自分の冬越え用の食料集めを手伝ってもらってもいいだろうと ここ二日ほどゆかりんはしきりにそのことをれみりゃに訴えかけていた。 「…うー」 「拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!」 しかしれみりゃはせっかく気分良く踊っていたところで怒鳴られて邪魔されて面白くない。 ここ二日間ほどはずっとそうだった。 れみりゃはそのゆっくりブレインで考えた。 もう狩りの仕方も覚えたしれみりゃがゆっくりするのを邪魔するこの納豆は要らないのではないか。 そうだ、もうこれは要らない。 「うー♪こえいらない!ポイっするの!」 「ズギマ゛!?」 思い立てばその行動はすばやかった、全くゆっくりしていない。 ゆかりんは森の木に向かって投げつけられた。 「ゆ…ゆぐほっ!?」 ゆかりんはずるりと地面に落ちて、口から納豆を垂らして咳き込んだ。 「うー♪くちゃいくちゃい♪こえいらなーい♪ぽいっ♪するの、ぽいっ♪」 れみりゃは今までの鬱憤を晴らすためにもう何度も投げて壊れるまで遊んでやろうとゆかりんの方へと歩き出した。 「鼻につくわ…そのゆっくりれみりゃ特有の上から目線…!」 ゆっくりゆかりんの目付きがそれまでのゆっくりした目付きから鋭い、肉食獣のような目付きに変わった。 しかしれみりゃはそれに気づかずに屈んで手を伸ばした。 ゆかりんは負傷しているとは思えないほどの速さでその手の上に跳ね乗るとそこからさらに跳び、れみりゃの鼻に噛み付いた。 「!?う゛あ゛ー!?あ゛ぐや゛ー!!!あ゛ぐや゛ー!!!」 予期せぬ反撃にしりもちをついて手をぶんぶんと振り回すしか出来ないれみりゃの鼻の中にゆかりんはプッと何かを吹き込んだ。 「!?!?!?!?!?!?!?」 れみりゃが目を白黒させる。 「う゛あ゛あ゛ああああああああああ!?ぐぢゃ゛い゛!ぐぢゃ゛い゛い゛い゛い゛!!!!!??????」 そう、ゆかりんはれみりゃの鼻の中に納豆を吹き込んで居たのだ。 「まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ」 ゆかりんはれみりゃの鼻を離して地面に降りると、冷めた表情でれみりゃに問いかけた。 「ゆっくりでていきましょうか?」 「う゛あ゛あ゛あああぐぢゃ゛い゛の゛おおお!!!あ゛っぢい゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ほらゆっくりでていきました」 そういうと、ゆっくりゆかりんはどこからともなく現れたときのようにいつのまにか木々の間へと消えていった。 「う゛あ゛ー!!!ざぐや゛!ざぐや゛あ゛あああ゛ああ゛ああ゛あ゛!!!!」 「うー、うー…」 それから数日が経ち、何とか臭いになれて動けるようになったれみりゃは生きるために餌のゆっくりを探して何日もさまよい続けていた。 しかしゆかりんの下で覚えた狩りの方法は全くその効果を発揮しなかった。 れみりゃはあの鼻納豆で嗅覚を完全に破壊されていたのだ。 再生力の強いれみりゃ種でもここまで鼻の機能を壊されてしまえば臭いを追って獲物を捕まえることも出来ない。 目視できる場所からでは空腹で力の出ないれみりゃでは捕まえる前に逃げられてしまう。 れみりゃは着々と衰弱していた。 「うー…おなかすいた…さくや…さくやー………」 恐らくれみりゃが獲物にありつくことは二度とないだろう。 「さくや、さくや、さくや…」 遂に森の中でへたり込み、何度も飼い主の名を呼ぶ。 困ったときはいつもさくやが助けに来てくれた。 そのまま一歩も動かずれみりゃはさくやとの思い出を反芻し続けた。 「これかってもいいの?ありがとうおかあさん! よろしくね、わたしはあなたのかいぬしの○○○よ」 初めてさくやにあった日、まだ顔だけだったれみりゃにさくやは奮発してプリンをプレゼントしてくれた。 「もー!れみりゃー!散らかしたら駄目でしょ!」 れみりゃがおもちゃを散らかすとさくやはぷんぷんと怒りながらも代わりに片付けてくれた。 「れみりゃ、もうちょっとまわりのことを考えて迷惑をかけないでね お父さんとお母さんもちょっとれみりゃのわがままに迷惑してるんだから」 さくやは本当に心配そうにれみりゃにそう言った。 れみりゃにはよく意味がわからなかった。 「もうみんなに迷惑かけないって約束して、ね れみりゃだってがんばればちゃんと私との約束守れるよね」 さくやはれみりゃに不安で不安で仕方ないのを隠しながらきっと出来ると言った。 れみりゃは横を向いておやつを食べながらうんと返事をした。 「もう庇い切れないの!お願いだからもうお父さんとお母さんに迷惑かけるようなことしないで! 約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!」 さくやは泣きながら、縋るようにれみりゃに頼み込んだ。 れみりゃはさくやに笑顔で返事をしてあげた。 その日の夕方ごろ、おかしはないかと食べ物を入れてある棚の中をぐちゃぐちゃにして結局おかしは見つからずふてくされてベッドで眠った。 朝起きると森の中に居た。 「うー、さくや、さくや…」 段々と、れみりゃにもわかり始めていた。 『拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!』 『まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ』 『約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!』 「うー…ごべんな゛ざい゛…やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざい…うー、うー…!」 ようやく、れみりゃにも何が悪かったのかがわかった。 「ざぐや゛ごべんな゛ざい゛…!やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…! う゛ー!ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛、う゛ー!う゛ー!」 れみりゃは涙ながらに今までの自分の行いで裏切り、傷つけてきた人たちのことを想い心から謝った。 「やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…!ざぐや゛!ごべんあざい!ごべんあ゛ざいいい!ざぐや゛!ざぐや゛ぁ!」 飼い主の女の子がこの言葉を聞いたならばどれほど喜んでれみりゃを家まで連れ帰ってくれるだろう。 だがこの心からの謝罪がその子に届くことは無かった。 木々の枝葉の間から、鳥達が何も言わずにれみりゃが力尽きるのを見下ろしていた。 このSSに感想を付ける